2012年3月16日金曜日

順中逆西

来島海峡を竣工したばかりの大型貨物船が航行しています。来島海峡は湾曲して狭い上に、日本三大潮流と言われるほど潮の流れが速く、古来から海上交通の難所として有名な地域でした。そのため、水軍の活躍などに代表される操船術の技術者集団が多数存在し、それが現在の海運業の発展につながってきたといえます。




 海上交通の難所であり、船舶の通行量が非常に多い要衝であるため、来島海峡では世界でここだけのルールがあります。それが「順中逆西」という通航方法で、南流(満潮)と北流(引潮)の場合に航路が変わります。写真の船が航行するときは北流であったため、「中水道」と言って大島と馬島の間を通り、燧灘から安芸灘へ抜けていきます。 来島海峡大橋と比べると貨物船の大きさが一際目立ちます。造船所から出航したばかりの船は、狭く潮流の速い海上交通の難所を航行して日本から世界の海へ旅立って行きます。

2012年3月9日金曜日

今治市外航海運セミナーIN今治北高

平成24年2月22日(水)愛媛県立今治北高校の1年生320名を対象に、「今治市外航海運セミナー」が開催されました。 同校での開催も4回目を迎え、OBの海運会社代表者が講師として講演する機会も定着化したようです。生まれ育った今治の街、学び舎のある今治の街、その親しんだ今治の街にしっかりと腰を据えて国際競争を勝ち抜くため、刻々と変わる国際情勢にアンテナを張り巡らし、活躍している様子を生徒に伝えて欲しいという学校の願いがあります。


海運オーナーからは今治市の外航海運業の現状について、世界中の海運会社上位50社の中に今治の海運会社が4社入っていることや、30万トンの船がブラジルから日本に定期的に鉄鉱石を運ぶように今治地区で830隻を超える船を保有しており、日本や世界の物流を支えていることなどを紹介しました。そして、「船は一人では動かない。海運・造船・舶用、銀行、商社等それぞれが協力して動かす。」と海事都市今治の構成を説明され、最後に「この業界で将来一緒に仕事をしよう」とエールを送りました。こうした先輩からの講演に刺激を受けて、近い将来海事都市今治を担っていく若者が誕生することを願っています。

2012年3月5日月曜日

今治市港湾振興協会講演会

2月17日(金)今治市内のホテルで「今治市港湾振興協会講演会」が開催されました。演題は「海事産業の今後について」ということで、造船業界から今治市海事都市交流委員会檜垣幸人会長(今治造船株式会社代表取締役社長)、海運業界から今治市外航海運協議会阿部克也座長(日鮮海運株式会社代表取締役社長)がパネリストとして出席され、業界関係者など約200名が聴講しました。 振興協会の菅良二会長(今治市長)が「今治市の産業を支えていく気概を持っていただきたい」とあいさつがあり、金融界から新生銀行政井貴子部長が、海事産業界が国際競争の中で生き残っていく上で重要な要素となっている為替動向について、昨年来の市場を回顧し今後の予測を述べられました。
檜垣幸人会長は「三代四代と付き合ってきた船主と造船所は、長い間築いた信頼関係で付き合ってきた。お互いに苦しい時こそ、その船主さんを大事にしてお付き合いしたい」と海事都市今治のつながりの重要性を述べられました。 阿部克也座長は「政策で特効薬は期待できないが、悪いと言い続けても仕方がないので、今ある状況でベストを尽くし、好転するきっかけを待つしかない。それには造船所の競争力のある船が必要」と述べられました。 海事都市今治に集積する力を結集し、これまで培ってきた経験やネットワークを駆使すれば、厳しい荒波を乗り越え「ピンチをチャンスに変えることができる」と信じています。