2012年3月16日金曜日

順中逆西

来島海峡を竣工したばかりの大型貨物船が航行しています。来島海峡は湾曲して狭い上に、日本三大潮流と言われるほど潮の流れが速く、古来から海上交通の難所として有名な地域でした。そのため、水軍の活躍などに代表される操船術の技術者集団が多数存在し、それが現在の海運業の発展につながってきたといえます。




 海上交通の難所であり、船舶の通行量が非常に多い要衝であるため、来島海峡では世界でここだけのルールがあります。それが「順中逆西」という通航方法で、南流(満潮)と北流(引潮)の場合に航路が変わります。写真の船が航行するときは北流であったため、「中水道」と言って大島と馬島の間を通り、燧灘から安芸灘へ抜けていきます。 来島海峡大橋と比べると貨物船の大きさが一際目立ちます。造船所から出航したばかりの船は、狭く潮流の速い海上交通の難所を航行して日本から世界の海へ旅立って行きます。