2007年4月27日金曜日

「匠の技」の伝承

4月12日今治市波方公民館にて今治地域造船技術センターの開講式がありました。3年目を迎えた次世代の人材育成への取り組みは昨年を大幅に超える120名近い研修工を迎え入れ、市内2箇所の研修所に分かれて3ヶ月間の研修を行います。手前の新入研修工はほとんどが20歳以下という非常に若い構成になっています。この若い生徒に社会人教育から始まり、安全教育、溶接技術など様々な科目をそれぞれの部門の熟練工の皆さんがみっちり指導を行います。
日本の造船界の明日を担う若い人材が各社から集まり、世界に誇れる「匠の技」の伝承を熟練工から受け、実力を備えて元の会社に戻り、世界を結ぶ船を建造することになります。こうしてこれまで「海事都市今治」で培ってきた技術と「ものづくりの魂」を次世代に引き継いで行きます。
造船技術センターは今年秋には中級コースも設けられ、更にステップアップするための取り組みもスタートします。

2007年3月22日木曜日

出前海事教室 日吉中学校


昨年12月、今治市立日吉中学校にて、『出前海事教室』(海のお仕事…今治海上保安部編)が開催されました。海事都市HPで「海に関する出前海事教室」の募集をしていますが、今回、日吉中学校の先生から「海のお仕事をテーマに講演を」という申し込みをHP上からいただきましたので、今治海上保安部のお仕事についての講演をお願いすることになりました。
講演では日吉中学校OBでもある中島氏をお迎えして、今治海上保安部の業務や来島海峡を行きかう船のルールなどの話を詳しく説明していただきました。集まった生徒からは保安庁の船のことや海の取り締まりのことなど様々な質問が寄せられていました。この生徒の中から未来の“海猿”は出てくるのでしょうか。
海事都市推進課ではHP上で、海の先生が今治市内の幼・小・中・高校生の海事への興味・関心を高めるために、それぞれに合った海の授業にご協力いただく「海の先生」の募集をしています。

詳しくはこちら
「海の先生」
(LINK)
「出前海事教室」
(LINK)


2007年2月16日金曜日

今治市外航海運セミナー

昨年11月、弓削商船高専において、「今治市外航海運セミナー」が開催されました。これは今治市の外航海運会社のオーナーが、弓削商船高専の学生に対して今治市の外航海運業についてもっと知ってもらおうという取り組みです。このセミナーで海運会社のオーナーからは今治市の外航海運会社が世界の経済の中で果たしている役割を紹介し、海運業の仕組みなど様々な説明の後、学生に対するオーナーの期待や希望を熱く述べられました。
一方、弓削商船高専の学生からは船舶運行管理者になるための条件や、今治市の海運会社に就職する方法についてなど将来に向けての質問が寄せられました。また、教授陣からは、「今後ともお互いの連携を密にして、セミナーを継続して開催してもらいたい」との要望がありました。
オーナーの熱意を受けた学生の中から、将来今治市の船を動かす人材が出てくることを期待します。

2006年12月12日火曜日

製油所と「海事都市 今治」その5

この写真は製油所全体を見渡すことができる最も高い建物から撮影したものです。製油所の中には石油製品を製造するための様々な施設があります。ここで製造された製品を写真の石油タンク側の出荷用桟橋から出荷しています。
この製油所では、精製される原油等は100%海上から受け入れ、原油から作られた製品は85%が海上輸送されるため、海運が非常に重要な役割を果たしています。その重要な役割を担う船上のクルーは「来島海峡をはじめとする航海で、安全航行を常に心がけ、海洋汚染防止にも注意しながら、危険物を運ぶ気の抜けない海上輸送を行っています。忙しい冬を迎え、気象条件も悪くなる季節ですが、より一層の安全航行を心がけます。」とのことでした。
旧来の菊間町と製油所との結びつきが、合併した今治市となって、これまでの結びつきに加えて、この製油所に原油を運ぶ船が今治市に本拠を置く造船グループで建造された船であったり、製品を運ぶ船も今治市の海運会社の船であったりと、同じまちとして「海事都市 今治」が機能している姿をこの製油所に見ることができます。

2006年12月11日月曜日

製油所と「海事都市 今治」その4

写真は、沖側に見える大きなタンカーから運び込まれた原油が、製油所で石油製品となって出荷桟橋から手前の船に積み込まれ出航する様子です。製油所から桟橋を通して石油製品ごとにパイプが配置され、出荷船に積み込みます。そのときは船員、製油所社員共同で安全に注意しながら積み込み作業に従事しています。
出港時には石油製品が満載されているため、写真のように船と海面の差がほとんどなくなり、船体の赤いライン(喫水線)がちょうど水面にきています。それと比べると、向こう側の大きなタンカーは荷揚げ完了間近のため、船体のほとんどが海面上に出ており、船体の大部分を見ることができます。
このように出荷船が年間4600隻以上出航しますが、その大半が1000トン以下の内航船で、その中には今治市内の内航船が多く含まれています。国内の輸送手段としてはいろいろありますが、陸上輸送に比べ、少ない燃料で大量の製品が運べる、しかも環境にやさしい内航海運(海上輸送)を物流の主役にしようとする「モーダルシフト」が注目されています。この製油所も環境にやさしい内航船を積極的に使っています。
こうして出航した船が各地へ石油製品を運び、皆さんの安定した生活に結びついています。

2006年12月7日木曜日

製油所と「海事都市 今治」その3

写真のタンカーですが、これは入港待ちのため、停泊しているのではありません。「その1」の写真右上にある巨大タンカーが停泊しているところ、実はここが「シーバース」という入荷用施設で、最大30万tクラスのタンカーを周りに見える5点のブイで係留し、船の中央部分と海底配管(約70センチのパイプ)をドッキングして手前のタンクへ原油を荷揚げしているのです。
このタンカー、サウジアラビア及びイエメン等の中東にて積荷して20日間かけて月に1回程度日本に来ます。1時間に1万klを(ドルフィンバースの倍の速さ)、原油タンクに送り込み揚荷は2日程度で終わります。30万tクラスの巨大タンカーですと写真の中の大きな原油タンク(10万kl)3杯分くらいを運んできます。
前回紹介したドルフィンバースに入荷のために寄港するタンカーもあわせると年間に大小約50隻以上の原油タンカーが石油の安定供給のために寄港しています。写真のタンカーは原油の荷揚げ作業を終えて、出港の作業に取りかかっているところです。
今治市菊間町の海岸線を通過するとき、原油を運ぶ大きなタンカーを見ることができるかもしれません。

2006年12月6日水曜日

製油所と「海事都市 今治」その2

前回写真の海上左側に見える大きなタンカーが着桟する入出荷用桟橋「ドルフィンバース」に着桟するタンカーの写真です。入荷用施設は二つあり、こちらの桟橋には最大10万tクラスのタンカーが着桟できます。ここには原油をインドネシアなど東南アジアから日本に1週間ほどで運ぶタンカーが月に3隻~4隻、あわせて年間約40隻も入港する他、製品出荷のためのタンカーも入港しており、それらを含めると年間約1000隻入港します。
 写真の船や定期的に入港する船は10万tクラスですが、今治市の造船会社グループが建造した船もあり、担当の方は船の特徴から「このタンカーはどこの造船所で造った船だ」とすぐ分かるそうです。ちなみにこの船はシンガポール船籍で、船の上は外国になります。
 この船がこの製油所にある一番大きな原油タンク1個分を運んできます。船からは写真の4つある滑車付の白いパイプ(ローディングアーム)を通じて桟橋に設置されているパイプを通り、陸上の原油タンクへ荷揚げされます。桟橋には直径約60センチのパイプが設置されており、船から毎秒ドラム缶7,8個!を送り出すため、これだけ大きな船にかかわらず、荷揚げは1~2日で終わります。

2006年12月4日月曜日

製油所と「海事都市 今治」その1


先日、今治市菊間町にある製油所にお邪魔しました。この四国でも最大級の製油所と「海事都市 今治」のつながりについてご紹介したいと思います。
この製油所はご存知のとおり、皆さんの生活に欠かせないガソリンや、灯油、軽油やジェット燃料などの石油製品また石油化学の基礎原料などを主に製造していますが、最近では燃料電池の開発も行っています。以前からこの製油所には多くの今治市民が働いており、また、地域の行事取り組みに協力するなど、実生活の様々な面で密接なつながりを持ってきました。
この地域では古くから菊間瓦の製造、出荷に海運業が結びつき発展してきた歴史があります。現在はこの製油所が石油製品を製造する原料の原油を輸入したり、製造した石油製品を出荷する最大の手段が海上に見える大小のタンカーであり、海運業とのつながりは欠かせないものがあります。
写真上で左側に見える白い大きな船が停泊している桟橋を「ドルフィンバース」、右上の赤い巨大船を係留しているところを「シーバース」と呼びますが、次回はこの「ドルフィンバース」についてお話します。

2006年11月1日水曜日

対立するクレーン群

今治市には数多くの造船所が集積していますが、造船所のシンボル的存在が、大きなクレーンだと思います。クレーンが絶えず動いている姿に現在の造船業の活況を感じることができます。このクレーン、たくさん種類のあるクレーンのうちの1種類で、ジブクレーンといいます。ジブ(肘=アーム)の先端の滑車にワイヤーを通してモノを吊る構造のクレーンのことをそのように呼ぶそうです。
皆さんは、このジブクレーンが今治市にどれくらいあるかご存知でしょうか。先日来、私どもが造船所を訪問させていただいたときに数えてみたところ、大小あわせて100本以上ありました。ひとつの市にこれだけのジブクレーンがあるのも造船所が集積する「海事都市 今治」だけかもしれません。
最近は、日が暮れるのも早くなったこともあり、夕方ともなるとクレーンのライトが煌々とともり、きれいに浮き上がります。この様子と来島海峡大橋のライトアップの日が重なると、今治だけでしか見られない景色が広がっています。クリスマスの前後に、カクテル光線のライトアップなどを考えてみると面白いかもしれません。皆さんも是非一度ご覧になってみてください。

2006年10月10日火曜日

船長の愉快な講義 世界の海体験談

10月6日、「船長の愉快な講義、世界の海体験談」が北郷中学校にて開催されました。これは今治市内の外航海運会社の方々の発案で、弓削商船高専の同窓会のご協力を得て実施されたものです。講師には弓削商船高専OBで商船三井客船㈱名誉船長の渡辺輝夫氏をお招きしました。講演では渡辺名誉船長が船長として世界各地を客船日本丸やふじ丸で回った経験をスライドを交え生徒とPTAにわかりやすく話していただきました。
太陽が水平線に隠れる際、いろんな気候条件が重なって太陽がエメラルドグリーンに輝く「グリーンフラッシュ」と呼ばれる現象が見られるのはとても稀だそうで、グリーンフラッシュを見ると幸せになれるとの言い伝えがあり、この非常に貴重な写真を最後に講演を締めくくられました。
この取組は、海事都市構想を進める上で、「海事関連人材の育成に向けた学習環境を整備する仕組みづくり」に繋げようとするもので、今後も市内でこのような「船の夢」に触れる機会を設けて将来の海事都市「いまばり」を担う次世代にむけた啓発を行いたいと考えています。