2012年2月16日木曜日

造船技術センター中級研修

1月20日(金)、21日(土)の2日間、今治地域造船技術センターの「平成23年度専門技能科造船溶接中級コース」が新来島どっく研修所で開催されました。造船所各社の現場で中心的な役割を担う5~10年程度の経験を経た13名の技能者が座学と実技を織り交ぜ、2日間に凝縮して研修を積みました。 今回の研修目的は、「自己の技能の裏付けとなる知識と技能を捉えなおし受講生自らが学ぶこと」であり、講師がアドバイスをせず、受講生自らが考え、相談しながら実習を行います。「わざと溶接欠陥を作ってみる」とか、「電圧や電流を変えてみる」など、通常の業務中にはできない様々な事象を自ら作り出し、その違いについて受講生同士が討論し、講師を含めた全員の前で発表する形式で行われました。 溶接は簡単な作業に見えても、高度な技術と経験が要求されます。素材や熱、位置、スピードなど違いでクラックなど溶接の欠陥ができ、必要な強度を持った溶接ができていないと、当然船舶の強度に影響が出てしまいます。 受講生が研修の成果を現場に持ち帰り、現場のリーダーとして活躍することが海事都市今治の船造りを支えていくことになります。

2012年1月20日金曜日

感謝祭

「日本最大の海事都市今治」には海事産業の工場が多くあります。一般の方々から「船造りの現場を見学したい」「是非、大きな船を近くで見てみたい」という要望をいただきますが、常に安全に配慮しながら、高操業を続ける造船所の作業現場に一般の方が入ることはなかなか難しいところです。
「バリシップ」の際や、こういった地元向け「感謝祭」のようなイベントの際に限って、竣工前の新造船や、製造中のブロックなどを間近で見る機会が提供されます。 今回、今治市で最も大きな敷地を有する大西町の造船所では5,350台積の自動車運搬船が披露されました。見学ルートでは造船所のブロック組立工場を経由して、建造中のドック、竣工前の船舶など、一枚の鉄板から大きな船が出来上がるまでの工程を見学することができました。 ばら積み船と比べると、自動車運搬船は縦のボリュームがあり、船体が壁のように見えます。船の中に入ると、大型カーフェリーのように自動車を積込める階層が何階もあり、船内からも大きさを感じ、自動車を大量に運ぶことに特化した船であることが実感できます。 この「感謝祭」には地域住民と招待された小学生が多数参加しました。地元で操業できることに造船所が「感謝」の意を表すために、船造りの現場を披露する機会は、船造りにおけるスケールの大きさを感じて貰うことで、「次世代の海事人材育成」に欠かせない事業になっています。

2011年12月26日月曜日

今治市外航海運セミナーIN弓削商船高専

11月24日(木)弓削商船高専にて「今治市外航海運セミナー」が開催されました。日本のみならず世界の海上輸送で重要な役割を担っている「今治オーナー」ならでは経験を聞くことができる貴重な機会です。また、講師が弓削商船高専のOBであることから、在学中のあるべき姿、学校を卒業しての進路、就職先で卒業生に対して要求される業務スキル等様々なレクチャーを受けることができました。現在、外航船の中で日本籍船はわずかであり、日本人船員が乗船することはほとんどなくなってきています。そのため、外航船員を養成する学校を卒業した学生のほとんどが、乗船経験を重ねることができなくなっています。しかし、海技士免許という特殊技能を持つ卒業生は、監督として海運会社の根幹業務である船の安全航行を支援するという需要な役割を担うことになります。学校で海技士の基礎をしっかり学び、それに語学力を加えた学生が、日本商船隊を担っていく若者として海運業界から期待されています。

2011年12月5日月曜日

進水式見学会

年間90隻以上新造船が誕生している海事都市今治では、毎週のように進水式が実施されています。船舶が大型化したため、国内ではドックでの建造が大半を占めますが、海事都市今治の造船業の中心地波止浜湾では船台で建造している造船所が殆どです。支綱切断を行うと、船首についているシャンパンが割られ、船台から船が滑り、着水します。その迫力には圧倒されますが、建造に携わった造船所の社員は祈るような気持ちになるといいます。その様子を次世代を担う子どもたちが見る機会として進水式見学会を実施しています。見学会には造船所、日本中小型造船工業会、今治商工会議所等の支援を戴きますが、進水式という生きた教材を基に、一人でも多くの子どもたちにモノづくりの素晴らしさ、船を造るダイナミックさを感じてもらいたいという願いがあります。世界で活躍する地場産業である造船業、物資を運び国民の生活を担っている海運業を肌で感じ、海事都市今治を担っていく人材がこの中から出てきてもらいたいですね。

2011年11月21日月曜日

SI養成講座

9月より、今治地域地場産業振興センターで「SI養成講座」が開催されています。SIとは船舶管理監督のことをいい、海運会社、船主又は船舶管理会社で陸上から船舶を管理・監督する人のことです。SIの職は資格が必要ではありませんが、船員の経験が必要とされる仕事で、日本人船員が減少している昨今、SIの確保・育成が海運会社の頭を痛めている所です。 今治市外航海運協議会でも、今治市で海運業を営むためにはSIの育成が急務と提言されていましたが、効果的な即効性のある方策が見当たらず、対応に苦慮していました。今回、国際船員労務協会の主催(事務局は日本海洋科学)で初級SIを養成するための講座を東京と今治市の2か所で開催することになりました。これも海運オーナーの集積地「日本最大の海事都市今治」であるからこそでしょう。 SI養成講座は、海運関係の会社で働く船員経験のない一般職も多く参加しています。船舶の運航に関わる様々な知識や経験は船員経験者には及ぶべくもありませんが、基礎的な知識を得た上で、そのサポート役として経験を積んで、日本の海運のSIとして活躍することが期待されています。

2011年11月15日火曜日

今治地域造船技術センター発展研修

 10月12日から14日までの間、旧今治コンピュータカレッジで今治地域造船技術センターの発展研修が開催されました。これは今年4月から6月にかけて三か月間、初級コースで訓練した研修生約60名が、各社に戻って現場経験を積んだ上で更なるキャリアアップを目的に三日間の研修を受けるものです。 初級コースの際は真っ新であった研修生の作業服も、使い込まれてきた様子が見て取れます。研修内容は実務に即した講義を中心に「未来の船舶」について等、幅広く組まれています。現場での課題を中心とするグループ討論では現場経験を経たからこそ出てきた問題点などについて、検討して発表していました。同じ機材を使った業務でも、各社ごとに使用形態が異なる場合もあり、違いについて意見交換する様子も見られました。 現場で三か月の経験を積んだからこそ、実体験から現実感がわき、講義の内容もより受け入れやすくなります。船造りの現場を担っていく若者に正確な知識を得て、これからの業務に活かして欲しいという願いがあります。

2011年11月2日水曜日

めざせ!海技者セミナー in IMABARI

9月17日、今治地域地場産業振興センターで「めざせ!海技者セミナーin IMABARI」が開催されました。海技者セミナーは国土交通省海事局が主催で全国で8か所開催されますが、今治市近郊の海運・造船・舶用の海事関係の企業説明会、就職面接会が行われました。今治地域では、船員育成の高等教育機関である、弓削商船高専、波方海技短大が存在します。地元の海運業に地域から就職して欲しいという願いがあります。地元高校から造船・舶用に就職する生徒が多くいるため、それぞれ、翌年度の就職を見据えてより効果的にマッチングを図るためにはうってつけの機会となります。海運と造船・舶用は海事産業といいながら、対象とする学生が異なります。そうした海を目指す若者が一堂に会する貴重な機会は次世代の海事人材育成のために継続して開催する必要があると思います。そして、その場所が海事産業の一大集積地である「海事都市今治」だからこそより意義があると思います。

2011年9月22日木曜日

水軍レース


730日、今治市宮窪町の村上水軍博物館前で第19回水軍レース大会が開催されました。各地で行われている、カッターレースとは異なり、村上水軍が活躍していた船である小早船を復元し、12人の漕ぎ手が乗り込みスピードを競います。レースで使う小早船は和船大工棟梁渡邊忠一さんの手により建造された、歴史と匠の技を感じさせる船です。
慣れない「櫓」を動かしながら船を前に進めますが、黄色い歓声を受けても、なかなか思うように動かないようで、蛇行している船もたくさんありました。
「能島村上水軍」をキーワードに能島でのお花見、水軍レース大会や弓道大会など、海の歴史の息吹を感じさせるイベントが地元住民の手で開催され、海事都市今治の文化を育んでいます。

2011年9月20日火曜日

船舶海洋工学研修

530日から15日間、旧今治コンピュータカレッジで「船舶海洋工学研修」が各造船所の設計担当者を中心として約40名を対象に開催されました。
この研修は今治地域造船技術センターと(独)海上技術安全研究所の主催で、(社)日本中小型造船工業会の共催事業となり、内容は造船技術センターの設計者向け版といった位置づけですが、サテライト方式を使い、東京三鷹の海上技術安全研究所と今治・相生・因島の3か所で同時に講義を受けることができ、その場で質問などができるシステムとなっています。地方に居ながら研究の先端講義をリアルタイムで受講できることは、各社にとっても、受講生にとっても負担が少なく、画期的なシステムといえます。
各社の技術者はOJTで各社独自の設計方法を習得していきますが、この研修を受けることでその内容が理論的に裏付けされ、先進の講義を受けることで、更なる技術開発につながることが期待されます。


2011年9月16日金曜日

造船技術センター初級実技



4月から始まっています、今治地域造船技術センターも終盤を迎え、連日実技の向上を目指した研修が続いています。
暑い研修所の中で、バーナーを当てて練習用鋼材を溶接しています。眩い火花が飛び散り、鋼材が溶接されて行きますが、溶接ラインがぶれずに真っ直ぐ安定した溶接をできるようになるのが難しいようです。講師が横で付きっ切りで「そうだいいぞ、そのままで続けろ」などと指導しています。出来上がった鋼材に講師が点数をつけ、高得点の研修生は表彰されます。講師の指導と点数に、「もう一度やってみる」と練習用鋼材を手にして研修生が溶接を始めます。
  こうしてベテラン講師の指導で「匠の技」を身に着けた研修生が、続々と現場に出て経験を積むことで完成度の高さが評判の「日本の船」が造りだされ、七つの海で活躍することになります。