2007年12月28日金曜日

ヒューマンインフラ部会答申

12月20日今治市長が臨時委員を務めています、国土交通省交通政策審議会海事分科会の答申が冬柴国土交通大臣に提出されました。写真は答申書提出の様子とそれを見つめる市長の後ろ姿です。
2月に始まりましたこのヒューマンインフラ部会ですが、「海事分野における人材の確保・育成のための海事政策のあり方」という検討課題を受け、まさに“海事都市今治”が取り組んできた課題を国という舞台でご検討いただきました。その中で市民の皆さんからの様々なご意見をこの審議会で発言させていただき、その結果「今治市」の取り組みが何度も「中間とりまとめ」や「答申」に出てきます。
また、審議会において今治市は「海事行政のトップランナー」という、ありがたい“称号”をいただくと共に、国土交通省から今治市の取り組みを支援して下さることになりました。
2008年からも、皆さんのご意見を頂戴しながら様々な取り組みを進めて行きたいと存じますのでよろしくお願い申し上げます。

2007年12月26日水曜日

進水式見学会

“海事都市 今治”では年間70隻以上の船舶が建造されています。年間70回以上つまり5日に1回のペースで進水式が行なわれている計算になります。
進水式は本来、船舶を注文された方のためのセレモニーです。その進水式の様子を市民の皆さんに見学してもらったり、学生を進水式に招待する取り組みは、次世代を担う子ども達に「少しでも造船業をはじめとする海事産業に興味を持ち、将来海事産業に携わってもらいたい」という造船所の強い希望があるためです。
造船所では、工場に普段入ることのない子どもをはじめとする市民の安全確保に細心の注意を払って公開進水式を実施しています。また、この公開進水式を積極的に支援しているのが、中造工((社)日本中小型造船工業会)で児童・生徒が造船所で進水式を見学できるよう様々な協力をいただいています。
壮大な進水式の見学会にも様々な方々の協力が必要となりますが、今治市は公開進水式が開催しやすい地域だそうです。それは「造船所も公開進水式の意義を感じ、市民も行政も海事に関する意識が高いまち」だからと言われています。

2007年12月11日火曜日

船長の愉快な話 「世界の海、世界の船」講演

海事都市構想を推進する上で基本方針となっている「次世代の人材育成」への取り組みとして、「出前海事教室」が開催されています。昨年、北郷中学校で開催され好評であった、商船三井客船㈱名誉船長渡辺輝夫氏の講演会を、今年も弓削商船高専OB会の協力を得て、日吉中学校全校生徒を対象に開催されました。
渡辺船長の船長として船を任され、航海の安全や船に乗り組んでいる乗客・乗組員の安全に細心の注意を払ったことや、船長として海外都市を訪れた際には日本国の代表と見られること、船からみる地球の美しさなど船長としての経験談をふんだんに語っていただきました。講演をしている渡辺船長の制服が格好いいですね。
今回の講演を聞いた生徒の中から、「今治市で出来た船を今治市の人が動かす」ための船員に将来なってもらいたいという海事産業界からの強い希望があります。

2007年11月27日火曜日

今治地域造船技術センター 中級コース その2

今治造船技術センター中級コースでは、研修目的として、「溶接技術者として必要な知識及び技能を習得させ、造船所での溶接職のリーダーとして将来活躍できる人材を育成する」ことを目指しています。溶接は船を造る上で大変重要な仕事で、完璧な設計を生かし、高性能な船舶を送り出すのも溶接の技術にかかっています。
5日間という短期集中講座ですが、午前中は溶接技術の知識を座学で習得し、午後は溶接技術の習得を目的としています。初級とは違って溶接をする角度も下向きから変わっていますし、何より研修生の作業服が体になじでんいる様子が見えます。
現場から戦力になる中堅溶接工が5日間いなくなるのは、建造ピッチを上げている造船所にとっては痛いところです。しかし、各社で得られた経験による技術習得に加え、この研修で専門知識や更に高度な技術を習得し、将来のリーダー候補として復帰し各社で活躍することになるでしょう。

2007年11月19日月曜日

今治地域造船技術センター 中級コース その1

11月12日から5日間の日程で今治地域造船技術センター中級コースが新来島どっく研修所で開講しました。設立3年目を迎えた技術センターでは初級コースが4月から6月まで開催され、受講者が毎年増加し続けている状況にあります。今回から更に高度な技術の継承を目指すため、各社の中堅どころとなる造船工の7社17名が中級コースの「アーク溶接専門技能中級研修」に集まりました。
協力各社から派遣されるベテラン講師の貴重な経験から基づく座学や実習を受け、現在各社の現場で習得した技術を更に向上させる取り組みとなります。
造船工を送りだす造船所としてはここで高度な技術を習得し、初級の「言われたことをやるワーカー」から中級の「自分で考えるワーカー」へ、そして「それらを束ねるワーカー」へ高度な技術力と共に育ってほしいと待望しています。そのようなワーカーが数多く育ってくることで、“海事都市今治”を支える技術力が継承されていくのだと思います。

2007年10月22日月曜日

第二回今治市外航海運セミナー

10月11日弓削商船高専において「第二回今治市外航海運セミナー」が開催されました。このセミナーは、“海事都市 今治”の中でも即戦力になるべき人材を育成している弓削商船高専に対して、現在の世界規模の経済の中で今治市の外航海運の果たす役割をはじめ、学生が就職してから船員としてまた、運行管理者としてどのような可能性が広がっているかなどを教授や学生に伝え、地域の船員育成機関と海運業が協調して共存して行きたいという思いがあります。
今、海運業界が弓削商船高専の学生に対して上級船員としてどのようなことを期待しているか、そのために学校で習得しておくべきことを今治市の外航海運会社の講師陣が経営者の立場や工務監督の(先輩の)立場から説明し、最後に「しっかりと知識と経験を積んで、就職する際に今治市の外航海運会社を選択肢として覚えておいて欲しい。」と伝えました。
学校の授業では聞けない実体験に基づいた内容に学生は興味を惹かれたようで、将来の選択肢の中に“海事都市 今治”の外航海運会社がインプットされたようです。

2007年10月16日火曜日

今治管内社会科同好会研修会

10月6日(土)来島海峡海上交通センターなどで、今治管内の社会科担当教員で構成される「今治管内社会科同好会」の研修会がありました。今回は“海事都市今治”の知識を深めるため、来島海峡海上交通センターの視察、四国運輸局藤井次長による「我が国の海事産業の現状と課題」の講演があり、今治市を含めた海事産業の現状について広範な説明や、普段聞くことの出来ない船員教育の実情なども紹介していただけました。
参加された先生方からは、施設見学の方法や今治の海事産業の世界に占める割合など、多くの質問があり、早くも「子ども達にどうやって“海事都市 今治”を理解させるか」を考えていた様子でした。研修会を振り返って「非常に興味深い話を面白く聞かせてもらいました、子ども達に伝えたい。」とのことでした。
これからの“海事都市 今治”の次世代を担う子ども達に海への興味が深まり、自分の育った地域に誇りが持てるような取り組みをそれぞれの学校で展開していくことになります。

2007年10月2日火曜日

2007 船員就業フェア in IMABARI

9月8日(土)四国運輸局による「2007船員就業フェアin IMABARI」が今治地域地場産業振興センターにて開催されました。昨年今治市で初めて開催されたフェアが好評であったため、引き続き今年も海運会社、船員教育機関など海事産業の集積する“海事都市今治”での開催となりました。当日は外航海運、内航海運など22社が参加し、求職者は77名の参加がありました。
学生をはじめとする求職者は「海運会社のことを知りたい」、海運会社も「出来るだけ多くの求職者に会社をPRしたい」、そのような求人・求職双方の要望をつなげる重要な機会である船員就業フェアですが、船員逼迫の状況が続く中、来年からは更に内容が充実したフェアになっていくようです。
今回のフェア開催中に決まった内定者は少なめでしたが、求職者からは「とてもためになりよかった」という意見が数多く聞かれ、これからの求職につながるフェア開催でありました。

2007年9月4日火曜日

バリバリものづくりおもしろフェスタ

今治地域地場産業振興センターにて「バリバリものづくりおもしろフェスタ2007」が開催されました。このフェスタは産学が連携する中で、次世代を担う子供たちに楽しみながら、ものづくりの素晴らしさを体験してもらおうという目的があります。そのため、今治市のものづくりに関わる企業と学校機関が多数出展していました。
会場の中には子供がものづくりに興味を持ってもらおうと、様々な趣向を凝らした「おもしろものづくり教室」など催し物が準備されていましたが、海事産業界からもノルシッピングに出展した渦潮電機㈱、㈱新来島どっく、今治造船㈱の3社が「いまばりShip展」のコーナーで、船をバーチャルで建造したり、海事クイズに挑戦したり、船ができるまでなど、子供たちがものづくりに親しむためのアイテムを準備し、子供たちの注目を集めていました。
会場にはたくさんの子供たちが訪れ、目を輝かせながらあちこちのコーナーでものづくりの素晴らしさを体験していました。写真のバーチャルシップ、完成するとプリントアウトしてくれましたが、この一日で何隻建造されたのでしょうか。

2007年8月6日月曜日

今治市民のまつり「おんまく」

今治市民のまつり「おんまく」が8月4日・5日と開催されました。市民が作る新しい形の祭りとして10回目を迎えた“まつり”ですが、今治地方の祭りでの伝統行事「継ぎ獅子」の競演や、村上水軍の伝統を引き継ぐ大浜地区の「櫂伝馬」など郷土芸能が披露されます。
祭りといえば“おどり”ですが、海城今治城を築城する際に踊った「木山音頭」や「今治お祭り音頭」、そして若者中心の「ダンスバリサイ」があります。この市民が参加する祭りに、今治市の海事産業界も踊りに参加したり、模擬店を出すなど様々な形で参加しています。
写真はある造船会社の木造船タンカー“BARI ANGEL”とタグボートです。造船会社ならではの船の模型御神輿ですが、毎日仕事が終わった後に建造したそうです。
2日間の熱い祭りの最後を締めくくる9000発の様々な形の花火を見ているうちに「船の形の花火ではないかな」と思えるものもありました。
 古くからの伝統芸能にも新しい祭りの姿にも海とのつながりを感じるのは“海事都市今治”ならではではないでしょうか。

2007年7月4日水曜日

フェリー見学会

7月1日(日)今治市に本社を置く海運会社が、今治市の造船会社に発注した新型フェリー船内見学会が開催されました。貨物船などの進水式の機会は多い“海事都市今治”でもフェリーの見学会は珍しく、当日は雨が降ったりやんだりあいにくの天候でしたが、会場は多数の見学客であふれんばかりの状態になっていました。
この新型フェリー、外見の特徴は船体横から水中に出された大きなフィンで、自動制御の働きで、航行中の横揺れを抑えることが出来るそうです。乗客の快適な船旅のための新しい技術の導入ですが、フィンの出る姿は「宇宙戦艦ヤマト」のようです。
一方、船内を見学させていただきましたが、客室を拝見していると「2時間ほどで目的地に到着して下船するのが惜しいな」と思えるほど、快適な船旅を過ごすため工夫の凝らされた客室になっていました。このフェリーは7月3日から八幡浜(四国:愛媛)と臼杵(九州:大分)を結ぶ航路に就航しました。
船を注文するフェリー会社と、建造する造船会社の「こんな船が作りたい」という要望がぴったり合う船造りが出来るのも“海事都市今治”ならではだと思います。

2007年6月11日月曜日

交通政策審議会海事分科会 ヒューマンインフラ部会2

5月13日(日)現在市長が就任している交通政策審議会海事分科会ヒューマンインフラ部会の現場視察ということで、航海訓練所の帆船海王丸を他の委員と共に視察しました。「帆船パレードよこすか2007」のために4隻の帆船が横須賀港に集まり停泊していました。帆船での実習の様子や船内設備などの視察を行い、帆船ならではの船員が帆を張る訓練“セイルドリル”を見学しました。ライトアップされた姿も非常に美しいそうですが、帆が張られた帆船の美しい姿を見ると、海王丸が今治港に帆を張って停泊する姿を想像してしまいます。
このような帆船、これまでは船員になるための基礎教育に欠かせない存在でした。時代の流れもありますが、船員教育のあり方も再検討する時期に来ています。市長が委員を就める「ヒューマンインフラ部会」はそのような今後の船員教育のあり方を含めた人材育成・確保の方策や、海への関心付け、また、海事産業・文化を活かした「海のまち」づくりなど様々な課題を話し合う場になっています。

2007年6月7日木曜日

交通政策審議会海事分科会 ヒューマンインフラ部会1




今治市長がヒューマンインフラ部会で今治市の取り組みを紹介しました。
5月13日 海王丸にて開催された交通政策審議会海事分科会ヒューマンインフラ部会に今治市長が委員として出席し、「今治市における人材育成の取り組み」(地域における海事クラスターの形成・振興)を審議会の委員に対して紹介しました。
今治市民の皆さんからいただいたご意見をもとにこれまで実施した、啓発事業を中心に紹介しました。質疑応答が進む中で、審議会に出席した他の委員からは「今治市は海事のトップランナーだ」というお褒めの言葉を頂戴し、改めて今治市の皆様の先進性・ご見識の的確さを肌で感じました。国土交通省や他自治体も今治市の次世代の海事人材育成に向けた取り組みに強い興味を示しています。
この審議会は引き続き開催されますので、これからも今治市民の皆様の声を直接お届けしたいと考えています。

※交通政策審議会にて市長が行ったプレゼンはこちら(LINK)
からご覧ください。

2007年4月27日金曜日

「匠の技」の伝承

4月12日今治市波方公民館にて今治地域造船技術センターの開講式がありました。3年目を迎えた次世代の人材育成への取り組みは昨年を大幅に超える120名近い研修工を迎え入れ、市内2箇所の研修所に分かれて3ヶ月間の研修を行います。手前の新入研修工はほとんどが20歳以下という非常に若い構成になっています。この若い生徒に社会人教育から始まり、安全教育、溶接技術など様々な科目をそれぞれの部門の熟練工の皆さんがみっちり指導を行います。
日本の造船界の明日を担う若い人材が各社から集まり、世界に誇れる「匠の技」の伝承を熟練工から受け、実力を備えて元の会社に戻り、世界を結ぶ船を建造することになります。こうしてこれまで「海事都市今治」で培ってきた技術と「ものづくりの魂」を次世代に引き継いで行きます。
造船技術センターは今年秋には中級コースも設けられ、更にステップアップするための取り組みもスタートします。

2007年3月22日木曜日

出前海事教室 日吉中学校


昨年12月、今治市立日吉中学校にて、『出前海事教室』(海のお仕事…今治海上保安部編)が開催されました。海事都市HPで「海に関する出前海事教室」の募集をしていますが、今回、日吉中学校の先生から「海のお仕事をテーマに講演を」という申し込みをHP上からいただきましたので、今治海上保安部のお仕事についての講演をお願いすることになりました。
講演では日吉中学校OBでもある中島氏をお迎えして、今治海上保安部の業務や来島海峡を行きかう船のルールなどの話を詳しく説明していただきました。集まった生徒からは保安庁の船のことや海の取り締まりのことなど様々な質問が寄せられていました。この生徒の中から未来の“海猿”は出てくるのでしょうか。
海事都市推進課ではHP上で、海の先生が今治市内の幼・小・中・高校生の海事への興味・関心を高めるために、それぞれに合った海の授業にご協力いただく「海の先生」の募集をしています。

詳しくはこちら
「海の先生」
(LINK)
「出前海事教室」
(LINK)


2007年2月16日金曜日

今治市外航海運セミナー

昨年11月、弓削商船高専において、「今治市外航海運セミナー」が開催されました。これは今治市の外航海運会社のオーナーが、弓削商船高専の学生に対して今治市の外航海運業についてもっと知ってもらおうという取り組みです。このセミナーで海運会社のオーナーからは今治市の外航海運会社が世界の経済の中で果たしている役割を紹介し、海運業の仕組みなど様々な説明の後、学生に対するオーナーの期待や希望を熱く述べられました。
一方、弓削商船高専の学生からは船舶運行管理者になるための条件や、今治市の海運会社に就職する方法についてなど将来に向けての質問が寄せられました。また、教授陣からは、「今後ともお互いの連携を密にして、セミナーを継続して開催してもらいたい」との要望がありました。
オーナーの熱意を受けた学生の中から、将来今治市の船を動かす人材が出てくることを期待します。