2008年12月19日金曜日

海へのチャレンジフェア

12月13日に今治地域地場産業振興センターにて「海へのチャレンジフェア」が四国運輸局主催で開催されました。これは昨年まで「船員就業フェア」として船員と海運会社の接点を広げるために開催されていましたが、今回から船員経験者以外にも広く参加してもらおうと門戸を広げ、全国で6回目の開催となっています。今治市では平成18年から3回目の開催となり、例年就職まで結びつくケースが多いようです。
この日は、午前中から一般の船員経験者が多く訪問されましたが、午後からは写真のように波方海技短大の学生80名余りが訪問し、将来就職する船員の道がどのような形態なのか、海運会社から生の声を聞く貴重な機会となりました。20社の海運会社が出展していましたが、海運会社の担当者が熱く説明し、将来を担う学生がその話を熱心に聞き入る姿があちこちで見られました。
今年からこのフェアに加えて新しく「造船・舶用工業就業フェアin いまばり」も開催されましたが、“海事都市今治”ではこのように造船・海運・舶用工業と人材を要望している力強い企業がまだまだたくさんあります。
地域で育った学生が地域の海事産業へ進んで欲しい、それが私達の大きな願いとなっています。

2008年12月8日月曜日

出前海事教室名誉船長講演会

平成20年12月4日今治市立美須賀中学校全校生徒108名を対象に、商船三井客船㈱名誉船長渡辺輝夫氏による「にっぽんまる名誉船長の世界の船体験談」の講演を開催しました。この講演会の開催にあたっては弓削商船高専OB会と今治市外航海運協議会の協力をいただきました。
渡辺名誉船長は子どもの時に「世界中を回りたい」と志し、弓削商船高専に進学され、卒業後船員の道へ進み、たくさんの客船の船長として世界中を航海されたそうです。世界中を航海することで異文化に触れる機会があったり、地球上の自然破壊が進む様子など身をもって体験され、その様子を生徒にわかりやすく伝えていました。
生徒からは、「人生でどれくらい船に乗っていたのか?」「国ごとの文化の違いは?」など質問が寄せられましたが、「船員は外交官のように日本を代表する立場にあり、どのような状況でも毅然とした態度が必要である。」と人生の航海歴で月と地球を6往復に相当する距離を船と共にした経験から訴えられていました。
この中学校から弓削商船高専に進学する生徒は比較的多いそうですが、さらに海や船に興味を抱く生徒が増えて欲しいと思います。

2008年11月28日金曜日

今治市外航海運セミナー


平成20年11月20日弓削商船高専にて第四回今治市外航海運セミナーが開催されました。このセミナーは今治市と弓削商船高専の連携協定事業の一環として、今治市外航海運協議会のご協力を得て開催されています。“海事都市今治”に存する船員育成高等教育機関である弓削商船高専の学生・教官に、外航海運業の実態について知識を深める機会を提供し、今治市の外航海運業を将来の進路としてつながるよう期待しています。
今回は商船学科4年生40名と専攻科の学生を対象に今治市外航海運協議会のメンバー2名が海事都市今治の外航海運業の現状について、オーナーが堅実な経営で競争力をつけてきたこと、海運業の業種分担が進み、専業化されていることなどを詳細に熱く語りました。
質疑応答では、昨今の景気変動に伴う海運会社の収益についてや、新造船を発注する海運会社の計画など核心をついた学生からの質問が相次ぎ、応答した海運会社の代表も学生の意欲に驚いていました。
海運会社の代表からは、学生が弓削商船高専でしっかりと学び、今治の海運会社で働いて「船のお医者さん」といわれる優秀な監督に育って欲しいという要望が伝えられました。

2008年11月10日月曜日

今治海事資産見学ツアー

11月8日に今治地域海事地域振興協議会主催で、今治市内に存在する海事資産見学ツアーが開催されました。「今治地域海事地域振興協議会」では海事産業、商工会議所、学校、行政機関等が一体となってそれぞれの立場で海事人材の確保・育成を目的とする取り組みを進めています。
今回のツアーでは、大三島海事博物館から見学いたしました。この海事博物館は、昭和天皇の海洋生物御研究のための御採取船「葉山丸」を記念して作られたものですが、全国の国宝・重要文化財の指定を受けた武具の約8割を保存する、併設している宝物館と併せて、海の歴史を感じさせる施設です。
続いて村上水軍博物館を見学いたしましたが、村上水軍の歴史をゲーム形式でたどることができ、参加者も村上水軍の歴史を詳しく知ることが出来ました。
あいにく雨天となりましたので、芸予要塞の小島には上陸できませんでしたが、能島・小島・来島と海事資産を船でめぐり、最後は造船所のひしめき合う波止浜湾を海上から展望し、“海事都市今治”への認識を深めていただきました。
このツアーには観光ボランティアガイドの皆さんが協力してくださり、懇切丁寧な説明があり、参加者の理解がより一層進んだようでした。

2008年10月8日水曜日

「今治海事展」開催要望活動

『今治海事展』“BARI-SHIP”が平成21年5月21日(木)~23日(土)で開催されることが決まりました。この海事展はトレードショーを核として、一大海事産業の現場を有する今治らしさを出しながら「次世代の海事人材育成」要素を盛り込むことが開催の大きな狙いです。
10月2日に市長をはじめ、今治市海事都市交流委員会の委員が国土交通省・日本財団・日本船主協会・日本内航海運組合総連合会・日本造船工業会・日本船舶輸出組合・日本中小型造船工業会・日本舶用工業会を訪問し『今治海事展』開催にあたり協力を要請しました。国土交通省では山本順三参議院議員も同行してくださり、春田事務次官・伊藤海事局長に要望書を提出しました。(写真)「人材育成は日本の海事産業全体の課題であり、海事展のようなイベントは国土交通省からお願いしてでもやってもらいたい。全面的に協力したい」と伊藤海事局長から温かいお言葉を頂きました。
他の団体・機関からも「海事都市発祥の地今治で開催される海事展に是非協力したい」など『今治海事展』へ様々な形でご支援をいただけそうです。今後、海事展開催時の「人材育成に向けた併催イベント」をどのように実施するかなど協議を進めて参りますので、皆様のご支援よろしくお願いいたします。

2008年8月26日火曜日

帆船「今治丸」今治出港

今回の「日本丸」今治寄港では出来るだけたくさんの子どもたちに「日本丸」に見たり、触れたりする機会を提供したいと考えました。最後の「登檣礼」と出港見送りには保育園児が駆けつけてくれました。
保育園児から中学生まで様々な年齢層の子どもに「日本丸」を見ていただきましたが、子ども達の心にどのように残ったのでしょうか。再三触れましたが、今回の帆船「日本丸」寄港をきっかけにこの中から少しでも海事産業に進む若者が出てきてくれれば素晴らしいことだと思います。
訓練生にとっての「日本丸」は船員となる基礎を学ぶ厳しい訓練と、共同生活を送った仲間を作る場になります。海事都市今治にとっての「日本丸」は、子どもが「日本丸」を通じて「海への興味」を強く持ち、夢を抱く存在であったと思います。
最も見ごたえのあると聞いていた出港時の「登檣礼」を見守りました。大きな声で高いマストから「ごきげんよう」と叫ぶ訓練生に感動を覚え、今回の「日本丸」寄港の始終を振り返ると、思わず泣けてしまいました。これからも子ども達が海への興味を持つような取り組みを進めていきたいと思います。

2008年8月25日月曜日

帆船「日本丸」一般公開見学

8月1日は「日本丸」一般公開見学がありました。午前中は今治市内の小・中学生を招待し、「日本丸」見学の機会を用意しました。
訓練生がそれぞれの持ち場で、「日本丸」の装備品について、どのように使用しているのか丁寧な説明を受け、子ども達が触って実際に体験できたものもありました。訓練生の掛け声と共に子ども達の歓声が船外まで聞こえ、楽しそうに下船する子ども達の顔が印象的でした。普段、見ることの出来ない「日本丸」に大きな興味が湧いたのだと思いますが、その興味を船長・機関長へと抱き続ける子どもが出てきてもらいたいものです。
午後からは一般市民の方にも見学していただきました。平成2年以来18年ぶりの寄港となり大勢の見学者が訪れましたが、前回の寄港が記憶に残っている方がとても多く、また、非常に詳しい方が多いことに驚きました。「次はいつ今治に呼んでくれるんで?」と多くの見学者からリクエストを受けました。

2008年8月22日金曜日

帆船「日本丸」セイルドリル

“海事都市今治”寄港中の帆船「日本丸」は毎日、見所が用意されていました。7月31日はセイルドリル(総帆展帆)訓練が行なわれました。縦方向の18枚、横方向の18枚合わせて36枚の帆を訓練生が教官の指示のもと「わっしょい」という掛け声を出しながら順番に開いていきます。
全ての帆を開き終わるまでに1時間30分ほどかかりました。その作業の様子を「日本丸」教官の解説を聞きながら岸壁から大勢の市民が見守っていました。艦橋にはセイルドリルを船上から見学している参加者が見えます。このチームワークが要求される大変な作業、そして全ての帆が張られた美しさ、船上から見学した小中学生にはどのように映ったでしょうか。
このセイルドリル、強風、雷などで実施が出来ないこともあるそうです。当日は暑かったですが、セイルドリルには絶好の天候だったようです。そしてこの時張られた「帆」ですが、歴代訓練生の「手作り」だそうです。「日本丸」で訓練した訓練生の脈々と連なる気脈が伝統へとなり、「日本丸に乗り込み訓練した」という経験と誇りが訓練生の心に受け継がれていくのでしょう。

2008年8月21日木曜日

帆船「日本丸」ライトアップ

「日本丸」が“海事都市今治”に寄港中の7月29日から8月1日まで夜間のライトアップがありました。7月30日はしまなみ海道もライトアップする日でしたから、大勢のカメラマンが会場を訪れ、思い思いの場所で写真を撮っていました。
寄港期間中は夏休みということもあり、昼間は家族連れの見学者が多く見られ、夜間は大人同士の見学者が多かったように感じましたが、昼夜を問わず、見学者の多さに今治市民の関心の高さがうかがえました。 「日本丸」に乗船している乗組員や訓練生の家族の方の訪問も多くありましたが、訪問者にはつい先日まで「日本丸」に乗船していた波方海技短大の学生もたくさんいたようです。長い間、厳しい訓練の場として過ごした思い出の「日本丸」が懐かしく思えたのでしょう。「太平洋の白鳥」とも呼ばれる「日本丸」には人を惹きつける優しさがあるのかもしれません。

2008年8月20日水曜日

帆船「日本丸」入港歓迎式

体験航海を終えた「日本丸」の入港歓迎式典を開催しました。今治寿太鼓保存会の皆さんによる勇壮な太鼓の演奏でオープニングを向かえ、「日本丸」をバックに“海事都市今治”を代表して今治市長の挨拶があり、駆けつけていただいた多数のご来賓にも歓迎をしていただきました。
歓迎式典には体験航海に参加した小中学生にも出席してもらい、代表して小学生と中学生の二人としまなみ大使がお世話になった、「日本丸」乗組員と訓練生に感謝と歓迎の花束を贈呈しました。
体験航海に参加した小中学生と保護者の皆さんには朝早くから長い一日になったと思いますが、盛りだくさんのメニューが用意された「日本丸」での航海やこの式典に参加したことがこの夏休みの大きな思い出になったのではないでしょうか。近い将来、訓練生として「日本丸」に乗り込む参加者が出てくるかもしれません。
7月29日、日本で一番暑いまちであった海事都市今治は、日本で一番海に親しいまちであったと思います。

2008年8月15日金曜日

帆船「日本丸」体験航海 その2

帆船「日本丸」は今治市の沖合に出て、帆を張る訓練をしました。全ての帆を開くことは出来ませんが、そのうち1枚だけ参加者と訓練生が一緒になって帆を張りました。「わっしょい、わっしょい」といいながらロープを引っ張ると少しずつ帆が張れていきます。帆が張れた様子を見て皆満足そうに見上げていました。しばらくの間燧灘を帆で進みました。
体験航海では、船の設備や海図での説明など海洋講座とロープワーク、ヤシ摺りなどの体験事業のメニューが数多く用意されました。参加した子ども達や同行した保護者も大変暑い中でしたが、(この日は今治市が全国一の暑さでした)貴重な体験の機会を楽しんでいました。
参加した子ども達からは「大きくて感動した」「船員の大変さがわかった。」「船員になってみたいと思った」「もっといろんなことを知りたい」「また、参加したい」などの感想が聞けました。今回参加した子ども達から未来の船員が出て欲しいものです。

2008年8月14日木曜日

帆船「日本丸」体験航海 その1

平成20年7月29日に航海訓練所帆船「日本丸」の寄港事業の目玉の一つである体験航海を実施しました。今治市内の小中学生で応募の結果抽選された30名が体験航海に参加しました。
当日は朝早くから「日本丸」に乗り込み、ライフジャケットを着用するなど安全教育講習を受けた後、「日本丸」の紹介や船員になるための紹介を受け、今治港蔵敷埠頭を出港しました。
操舵室や機関室、訓練生の居住区など船内の見学のあとは、デッキで説明を受けました。船に関係する様々な説明を受けていると、今治海上保安部の巡視艇「いよなみ」と海上保安庁のヘリコプターが「日本丸」に近づいてきました。「いよなみ」にも小中学生の体験乗船参加者が乗り込み「日本丸」としばらくの間伴走しました。
参加した子ども達は、訓練生の規則正しい生活や、訓練の様子を興味深く見学していました。
(つづく)

2008年7月23日水曜日

「海の日」認定記念シンポジウム

平成20年7月19日に今治市内のホテルで「海事都市今治『海の日』認定記念シンポジウム」が(社)日本船主協会、(財)日本海事広報協会主催で開催されました。これまで海事都市今治が、業界の皆様の支援を得ながら取り組んできたことを、今治の海事産業界につながりの深い2団体が「我々も海事産業を盛り上げ、海事都市今治をアピールしたい」ということで、シンポジウムの開催となりました。
パネリストには、村上誠一郎衆議院議員、山本順三参議院議員、海事振興連盟関谷勝嗣最高顧問、小池百合子元防衛大臣、㈱商船三井生田正治相談役の海事にゆかりの深い5名の出席者が、「これからの日本をどう変えていくか」というテーマで討論されました。
その中でも、国民の生活を守っている海運業の重要性、運送手段として他の運送手段と比較した場合の海運の環境面での優位性など、海事都市今治を拠点に活躍している海運業の世界規模での重要性が語られました。
その海運業界に送り出す船舶を建造する、重要な地位を占める今治の造船界に「エコシップ」の建造研究を世界中の海運業界が待っているとエールがありました

2008年7月15日火曜日

造船・舶用工業就業フェア in いまばり

平成20年7月12日に今治地域地場産業振興センターで「造船・舶用工業就業フェアin いまばり」が四国運輸局主催で開催されました。今治地域の造船業・舶用工業各社の計13社が一堂に会し、“海事都市今治”の直近の次世代を担う高校生が「就業フェア」に集まりました。
それぞれの会社が近未来に就職してくる、貴重な戦力となる高校生に対して自社のセールスポイントや、今治の海事産業界の実力や入社してからの待遇などを、PCなど映像を使って説明したり、熱いコメントで説明したり気さくな説明があったり、各社それぞれのアピールをしていました。
当日、訪れた高校生は配布された資料に熱心に目を通し、資料を整理しながら次々と企業を廻りながら各社の説明を興味深く聞いていました。彼らの学校の先輩が多く活躍している今治の海事産業界にこの中からも続いてくれる生徒が出てきてもらいたいものです。

2008年7月8日火曜日

海の日モデル地区認定

平成20年7月4日に今治市内のホテルで『「海の日モデル地区」認定証伝達式及び記念講演会』が開催されました。「海の日モデル地区」は海事関係24団体で構成する「海の日連絡会」が海を活かしたまちづくりを熱心に取り組んでいる地域を毎年全国で1都市選定し“「海の日」モデル地区”として認定しています。
今回は“海事都市今治”にて、海事産業界を中心に関係団体と続けてきた海事都市構想に基づく海事人材育成の取り組みをはじめとする様々な取り組みを評価され、認定をうけました。今治市では「海の月間」に関係なく年間を通じて海事産業界と一緒になって海事啓発を実施してきましたが、今回の認定を機にますます傾注していきたいと思います。
認定記念講演では『「しんかい6500」と日本の深海技術』と題して海洋研究開発機構の田代省三広報課長が自らの300回を超える潜水体験を貴重な映像などを交えながらユニークにお話いただき、あっという間に時間が過ぎてしまいました。このお話は今治市内の中学生の皆さんに聞いてもらう機会ができればと思います。

2008年6月2日月曜日

シップファイナンスフォーラム

平成20年5月14日~15日に今治市内のホテルで第三回船舶ファイナンスフォーラムが開催されました。このフォーラムはこれまで東京での開催でしたが、今回は“海事都市今治”で開催となり、過去最大の300名を超える参加者となりました。驚くことに参加者の半分ほどが外国人で、セミナーが同時通訳されていました。会場で飛び交う言葉も「英語」「中国語」「韓国語」など国際色が非常に豊かです。
また、参加者も造船会社、海運会社、舶用工業はもちろん、大手オペレーター、金融機関、損保会社等様々な船舶に関係する国内外の会社の代表者が集まっていました。
その中で、今治造船㈱桧垣社長が基調講演を行い、自社の歴史や今後の造船業の展望、地場産業としての自社のあり方などを講演されました。講演後は多くの質問が出席者から出ていました。
続いて、午後のパネルディスカッションでは地元今治から2人の外航海運オーナーがパネリストとして出席し、大手オペレーターに対して、「日本でも屈指の船主」という立場からコメントを出していました。大手オペレーターの船舶増強計画は今治オーナーの存在抜きでは成り立たないそうです。
世界に対してこれだけの力を今治の海事産業の方々が持っていることを実感した二日間でした

2008年5月26日月曜日

7社合同展示会

平成20年5月13日に今治市大西町にある渦潮電機㈱本社工場内で舶用工業7社が集まり、合同展示会が開催されました。この展示会はSEAJAPANが開催される年にSEAJAPANに出展したものとほぼ同じ最新機材を使ってセミナーやプレゼンテーションを、海事産業の集積している“海事都市今治”で開催しています。
この合同展示会は他の地域で開催される展示会と違うところがあります。それは地元の海事産業の関係者が非常に多く訪れるということです。写真のとおり、各社の作業服を身にまとった、実際にその機材を扱う現場の方が多く訪れ、実際の運用に当たっての質問や、新製品の特徴などを詳しく聞いていました。実際に機材を扱う方からの質問や意見、提案などは製品を開発したり、運用する上で非常に参考になり、それが会社の競争力につながっているのでは、と想像しました。それだけに海事都市今治で展示会を開催する意義が大きいと感じました。

2008年5月16日金曜日

進水式・工場見学会

平成20年5月8日に公開進水式並びに工場見学会が開催されました。今回は立花小学校5年生90名が渦潮電機㈱本社を訪れ、最初に子ども向けに作られた会社紹介のビデオを見ました。この会社がどのようなことをしているかを学習した後、写真のように実際に機器を製作している工場をお姉さん先生のガイドで見学しました。
この会社が開発している燃料電池の見学では水素と酸素で発生する電気により電球(プラズマボール)が灯る実験をしましたが、小学生が鈴なりになって電球を触って楽しんでいました。小学生はレポートに感じたことを一生懸命書いていましたが、中には舶用機器の絵を熱心に書く小学生もいて、理由を尋ねると「見たことがなく、珍しいから書いた」とのことでした。
工場の現場見学ということで、従業員の皆さんの見学者に対する安全への配慮は大変なご苦労があったと思います。しかし、「この中から将来海事産業に進路を取ってくれる人が出てきてくれたら」という期待を持って「少しでも海事産業に触れる機会を」と機会の提供をされています。
小学生は工場見学の後、進水式に向かいました。この恵まれた機会を得た小学生達から将来の海事産業の担い手はきっと出てくると期待しています。

2008年5月2日金曜日

今治ラスキン会



平成20年4月25日に(財)日本海事協会今治支部にて、第四回今治ラスキン会が開催されました。
今治ラスキン会は第一回目が(財)日本海事協会、第二回目からは今治市外航海運協議会も呼び掛け人に加わり、海事産業界の造船・海運・舶用工業のとも緊密な関係を持つ(財)日本海事協会今治支部が事務局として、昨年2月から年3回のペースで始まっています。なお、この会は今治市も後援しています。
①「世界的海事都市今治」において船主さんを中心にした新しい形の情報交換の場、②肩肘の張らないオープンな場、③今治にしっかりと根付き、皆さんに愛していただける場、④船舶の運航管理に関する重要な情報、更に技術情報の積極的な意見交換を主目的に、そして⑤開催場所は(財)日本海事協会今治支部ということで開催されています。
会場一杯に集まった関係者に様々な部門の専門家が詳細な説明をしますが、この説明が今治では非常に難しいそうです。それは聞く方のレベルが非常に高く、それに応える説明をするためにかなり調査を必要とされるそうです。それだけ“海事都市今治”には重要な海事情報がいろんな方面・分野からいち早く詳細に流れてきているということでしょうか。
このラスキン会、海事産業界の方が集まる貴重な機会です。今では100名を越える方が参加されています。セミナーが終わると懇談の場に変わりますが、そこではセミナーと打って変って柔らかい顔をされた皆さんの談笑が聞こえてきます。会を通じて海事産業間の親近感から一体感へ意識の醸成が大きな目的に見えてきます。



『「今治ラスキン会」って、なーに???』---更に詳しく---
ユニークで耳慣れない名称ですが、(財)日本海事協会(ClassNK)が平成19年2月地元の船主殿を対象とする新しい形の情報交換の場を誕生させたものです。その後、今治市外航海運協議会が共催し、今治市が後援しています。この会では造船・海運界及び関連業界から講師をお招きし、船舶の運航、管理などに有用な情報や、技術動向などについて積極的な情報交換に加え、ClassNKからも情報提供しています。会では肩肘の張らないオープンで率直な交歓の場を目指していますが、今や参加者が100名を越える会に成長しました。
海務・工務を担当されている方々はもちろん経営に携わっておられる方々、造船所設計、営業、検査部門の方々にも幅広くご参加いただいている、今治の地にしっかりと根付いた誰でも気軽にご参加できる会です。
なお、「ラスキン」とは「Last Friday Meeting」に由来しており、「ラストの金曜日」から「ラス金」、「ラスキン」となったものです。“海事都市今治”での開催ですので、「今治ラスキン会」と名づけられました。

2008年4月15日火曜日

国際海事展 SEA JAPAN

4月9日から11日まで東京ビックサイトで日本最大の国際海事展“SEAJAPAN”が開催されました。国内外の海事産業が350社程出展し、約17000人が期間中に訪れたそうです。会場の広さ、展示物の大きさにも圧倒されましたが、海事展に来場した人から飛び交う言語が日本語・英語はもちろん、中国語、韓国語等多様なことから国際色を感じ、出展者・来場者にとって重要な商談の場であることを感じました。
 そのような中、今治市の海事産業からも渦潮電機㈱、晃産業㈱、真鍋造機㈱の3社が出展され自社製品のPRや、お得意様への対応に努められていました。出展した3社の他にも会場に駆けつけて、あちこちで面談されている今治市の海事産業の方々を拝見し、海事産業界における“海事都市今治”の重要性が感じ取れました。
 今治市ではこのような規模での開催は難しいですが、「今治市の身の丈に合った、今治市ならではの海事展」の開催を目指し、今治市の海事産業界の方々と検討を重ねています。「今治市の海事産業の素晴らしさをPR」をすることで、次世代の海事人材育成につながって欲しいと考えています。

2008年3月26日水曜日

弓削商船高専との連携協力協定調印式

3月25日(火)今治市役所において「今治市と独立行政法人国立高等専門学校機構弓削商船高等学校との連携協力協定」の調印式が執り行われました。
弓削商船高専は100年の伝統と共に今治地域に根付いている船員育成高等教育機関です。これまで「今治地域からの海事人材の育成と、今治への海事人材の供給」を目指し、市内中学生の練習船体験航海の実施、技術振興会の設立、今治市外航海運協議会の協力を頂いたセミナーの開催など、海事都市構想を推進する上でなくてはならないパートナーとして取り組みを進めています。
このような積み重ねを包括化し、今後、円滑に且つより効果的に実施する連携体制を確固たるものにするために協定を締結しました。これからも、「海事人材育成」を目的とした様々な取り組みを弓削商船高専と協力して実施していきますが、今回の協定により新たな取り組みも生まれてくると思います。

2008年3月13日木曜日

内航海運フォーラム in 今治 その2

「内航海運フォーラムin今治」で市長は、基調講演に続き、第二部のパネリストとしてもコメントしました。パネリストには国土交通省、内航海運の代表者などが名を連ねました。
国内物資の37%を運ぶ、国民の生活に直結する内航海運ですが、現在様々な問題を抱えています。その中でも今回は特に、若い船員の育成問題が焦点になりました。
船員に対する需要は高い中、波方海技短大を始め船員育成学校への入学希望者が減少してきている現状を踏まえ、どうしたら「将来の職業選択肢の一つと若者に捉えさせることが出来るか」、についてそれぞれの立場から意見を交換しました。船員不足の差し迫った状況の中、特効薬はないかもしれません。そんな中、「今できること」がわずかでも、取り掛かっておく必要があると思います。
今治市が皆様と取り組んでいます「次世代の人材育成」も効果はすぐに出ないかも知れませんが、「あの時に取り掛かっておいて良かった」といつか思える取り組みだと思います。今後も皆様のご支援を戴き、取り組みを進めていきますので、よろしくお願いいたします。

2008年3月11日火曜日

内航海運フォーラム in 今治 その1

3月5日(水)今治市において「内航海運フォーラムin今治」が開催されました。このフォーラムでは国土交通省海事局大野次長と市長が第一部で基調講演を行い、第二部ではパネリストとして出席しました。
このフォーラムは先に2月25日に東京で開催され、市長もパネリストとして出席し、これまでの取り組みを中心にコメントをして参りました。今回は内航海運の一大集積地である海事都市今治での開催ということで、地域の皆様を代表して講演という形で、市長が「今治市における海事地域人材育成に向けた取り組みについて」を報告いたしました。これまで、皆様から戴いたご意見を反映した取り組みを展開してまいりましたが、全国でも前例のない、先駆けた動きが国土交通省の目に止まり、今後全国で取り組まれていくことは、これまでお知らせしていたとおりです。
地元今治において皆様の前で、監督省庁である国土交通省海事局が「今治市はトップランナーであり、これから全国各地で今治市の取り組みをモデルに展開していく。この動きが完全に地域に定着していくまで支援する」という力強いお言葉をいただけたことは、海事都市推進課のこれまでの取り組みの方向性が正しかった証明になったようでありがたく思います。

2008年2月18日月曜日

愛媛県立今治北高校 インターンシップ3

前回に引き続き、今治北高校生のインターンシップの様子の紹介です。海事産業界で検査・監督を担当する(財)日本海事協会今治支部での職場体験です。(財)日本海事協会は「船の安全を証明する」など本来は国が担当する内容を検査し、船を動かすためのハードウェア、ソフトウェアの審査を行なう第三者機関の船級協会で、船の建造から運航まで幅広く検査する、海事産業にはなくてはならない重要な存在です。
こちらでは業務内容について詳細な説明のあと、写真のようにマンツーマンで指導を受けながら職場体験を実施しています。今治北高生の2人は、「造船所が船を造るための、検査の申込みを受付」についての業務を体験しています。文書の中には英語もたくさん用いられ、専門用語もかなり出てきます。内容は難しいものに見えましたが、それだけに非常にやりがいのある職務だと思います。
海事産業と一口に言っても非常に裾野が広い業界です。今回のインターンシップで受けた未知の世界の感激を学校に帰ったときに皆に伝えて欲しいと思います。この取り組みを継続していくことで、次世代の人材育成に向けて広がっていくと信じています。ご協力いただきました企業の皆様、ありがとうございました。生徒の皆さんお疲れ様でした。

2008年2月15日金曜日

愛媛県立今治北高校 インターンシップ2

今回のインターンシップを引き受けた海運会社で、タイミングがあった会社は実際に船舶を見学させてくれました。この会社ではごらんのように作業着に着替え、「監督用」ヘルメットを身にまとい安全に注意を払って、隣接する造船所の引渡し間近の艤装中の船舶に乗り込みコックピットや甲板などを見学し、また造船所内のドックやブロック工場なども見学できました。海事産業に勤める人が家族にいることの多い“海事都市今治”の市民でもここまで間近で見学できることは稀だと思います。生徒にもかなりのインパクトがあったのではないでしょうか。
また、事務所に戻って海運業の説明を受け、これから物資を運ぶ船の外国人幹部船員とのブリーフィングにも同席し、英語中心の会議に語学力の必要性を強く感じたのではないかと思います。
船を動かすためにはたくさんの人の力が必要で、壮大なスケールがあります。それを感じることが出来た、今回の取り組みで海事産業が彼らの心を射止めてくれたのではないかと思います。(つづく)

愛媛県立今治北高校 インターンシップ1

“海事都市今治”では次世代の人材育成につなげる様々な取り組みを実施しています。今回は今治市内の外航海運業6社と(財)日本海事協会今治支部のご協力を得て、県立今治北高等学校商業科の生徒男子7名女子7名の計14名が2月12日~14日の3日間、今治市の基幹産業である海運会社等でインターンシップを経験することになりました。
海運会社の営業形態も様々ですが、この海運会社のように事務的な処理をお手伝いしたり、金融機関などの得意先周りを一緒に経験させてもらった会社もあります。「海運会社ってどんなことをするところ?」身近に存在しながら、学校では学習しない海運会社の職務内容に触れるまたとない機会であったと思います。
今回の受け入れが契機となり、生徒の将来の進路として船員を始めとする海運業が視野に入り、海事産業の就職へと結びついて欲しいという希望があります。(つづく)

2008年2月4日月曜日

今治市外航海運セミナー in 今治北高校

1月30日愛媛県立今治北高等学校1年生320名全員を対象に今治市外航海運セミナーを開催しました。今治北高校の「地域の産業で活躍する人の話を聞く」目的と、海事都市推進課の「次世代の海事人材育成を目指す」目的が融合したセミナーとなりました。
セミナーにはOB2名を含む3名の外航海運オーナーが出席されましたが、内外の情勢から生徒のこれから進むべき方向性についてや、一般高校から海事産業へ就職するための進学先など、多様な説明がありました。生徒に対し、国際人として必要な「語学力」と「公平な精神」を養い、将来今治の海事産業へ就職し今治を発展させて欲しいと訴えました。
今回のセミナーを機に、生徒の感想にもありましたが、地元で世界に誇れる海事産業を将来の就職先とこれまで以上に認識し、海事都市今治を支える人材がこの中から出てくることを切に願っています。このような一般高校へのセミナーを範囲を広げて開催して行こうと考えています。