2011年12月26日月曜日

今治市外航海運セミナーIN弓削商船高専

11月24日(木)弓削商船高専にて「今治市外航海運セミナー」が開催されました。日本のみならず世界の海上輸送で重要な役割を担っている「今治オーナー」ならでは経験を聞くことができる貴重な機会です。また、講師が弓削商船高専のOBであることから、在学中のあるべき姿、学校を卒業しての進路、就職先で卒業生に対して要求される業務スキル等様々なレクチャーを受けることができました。現在、外航船の中で日本籍船はわずかであり、日本人船員が乗船することはほとんどなくなってきています。そのため、外航船員を養成する学校を卒業した学生のほとんどが、乗船経験を重ねることができなくなっています。しかし、海技士免許という特殊技能を持つ卒業生は、監督として海運会社の根幹業務である船の安全航行を支援するという需要な役割を担うことになります。学校で海技士の基礎をしっかり学び、それに語学力を加えた学生が、日本商船隊を担っていく若者として海運業界から期待されています。

2011年12月5日月曜日

進水式見学会

年間90隻以上新造船が誕生している海事都市今治では、毎週のように進水式が実施されています。船舶が大型化したため、国内ではドックでの建造が大半を占めますが、海事都市今治の造船業の中心地波止浜湾では船台で建造している造船所が殆どです。支綱切断を行うと、船首についているシャンパンが割られ、船台から船が滑り、着水します。その迫力には圧倒されますが、建造に携わった造船所の社員は祈るような気持ちになるといいます。その様子を次世代を担う子どもたちが見る機会として進水式見学会を実施しています。見学会には造船所、日本中小型造船工業会、今治商工会議所等の支援を戴きますが、進水式という生きた教材を基に、一人でも多くの子どもたちにモノづくりの素晴らしさ、船を造るダイナミックさを感じてもらいたいという願いがあります。世界で活躍する地場産業である造船業、物資を運び国民の生活を担っている海運業を肌で感じ、海事都市今治を担っていく人材がこの中から出てきてもらいたいですね。

2011年11月21日月曜日

SI養成講座

9月より、今治地域地場産業振興センターで「SI養成講座」が開催されています。SIとは船舶管理監督のことをいい、海運会社、船主又は船舶管理会社で陸上から船舶を管理・監督する人のことです。SIの職は資格が必要ではありませんが、船員の経験が必要とされる仕事で、日本人船員が減少している昨今、SIの確保・育成が海運会社の頭を痛めている所です。 今治市外航海運協議会でも、今治市で海運業を営むためにはSIの育成が急務と提言されていましたが、効果的な即効性のある方策が見当たらず、対応に苦慮していました。今回、国際船員労務協会の主催(事務局は日本海洋科学)で初級SIを養成するための講座を東京と今治市の2か所で開催することになりました。これも海運オーナーの集積地「日本最大の海事都市今治」であるからこそでしょう。 SI養成講座は、海運関係の会社で働く船員経験のない一般職も多く参加しています。船舶の運航に関わる様々な知識や経験は船員経験者には及ぶべくもありませんが、基礎的な知識を得た上で、そのサポート役として経験を積んで、日本の海運のSIとして活躍することが期待されています。

2011年11月15日火曜日

今治地域造船技術センター発展研修

 10月12日から14日までの間、旧今治コンピュータカレッジで今治地域造船技術センターの発展研修が開催されました。これは今年4月から6月にかけて三か月間、初級コースで訓練した研修生約60名が、各社に戻って現場経験を積んだ上で更なるキャリアアップを目的に三日間の研修を受けるものです。 初級コースの際は真っ新であった研修生の作業服も、使い込まれてきた様子が見て取れます。研修内容は実務に即した講義を中心に「未来の船舶」について等、幅広く組まれています。現場での課題を中心とするグループ討論では現場経験を経たからこそ出てきた問題点などについて、検討して発表していました。同じ機材を使った業務でも、各社ごとに使用形態が異なる場合もあり、違いについて意見交換する様子も見られました。 現場で三か月の経験を積んだからこそ、実体験から現実感がわき、講義の内容もより受け入れやすくなります。船造りの現場を担っていく若者に正確な知識を得て、これからの業務に活かして欲しいという願いがあります。

2011年11月2日水曜日

めざせ!海技者セミナー in IMABARI

9月17日、今治地域地場産業振興センターで「めざせ!海技者セミナーin IMABARI」が開催されました。海技者セミナーは国土交通省海事局が主催で全国で8か所開催されますが、今治市近郊の海運・造船・舶用の海事関係の企業説明会、就職面接会が行われました。今治地域では、船員育成の高等教育機関である、弓削商船高専、波方海技短大が存在します。地元の海運業に地域から就職して欲しいという願いがあります。地元高校から造船・舶用に就職する生徒が多くいるため、それぞれ、翌年度の就職を見据えてより効果的にマッチングを図るためにはうってつけの機会となります。海運と造船・舶用は海事産業といいながら、対象とする学生が異なります。そうした海を目指す若者が一堂に会する貴重な機会は次世代の海事人材育成のために継続して開催する必要があると思います。そして、その場所が海事産業の一大集積地である「海事都市今治」だからこそより意義があると思います。

2011年9月22日木曜日

水軍レース


730日、今治市宮窪町の村上水軍博物館前で第19回水軍レース大会が開催されました。各地で行われている、カッターレースとは異なり、村上水軍が活躍していた船である小早船を復元し、12人の漕ぎ手が乗り込みスピードを競います。レースで使う小早船は和船大工棟梁渡邊忠一さんの手により建造された、歴史と匠の技を感じさせる船です。
慣れない「櫓」を動かしながら船を前に進めますが、黄色い歓声を受けても、なかなか思うように動かないようで、蛇行している船もたくさんありました。
「能島村上水軍」をキーワードに能島でのお花見、水軍レース大会や弓道大会など、海の歴史の息吹を感じさせるイベントが地元住民の手で開催され、海事都市今治の文化を育んでいます。

2011年9月20日火曜日

船舶海洋工学研修

530日から15日間、旧今治コンピュータカレッジで「船舶海洋工学研修」が各造船所の設計担当者を中心として約40名を対象に開催されました。
この研修は今治地域造船技術センターと(独)海上技術安全研究所の主催で、(社)日本中小型造船工業会の共催事業となり、内容は造船技術センターの設計者向け版といった位置づけですが、サテライト方式を使い、東京三鷹の海上技術安全研究所と今治・相生・因島の3か所で同時に講義を受けることができ、その場で質問などができるシステムとなっています。地方に居ながら研究の先端講義をリアルタイムで受講できることは、各社にとっても、受講生にとっても負担が少なく、画期的なシステムといえます。
各社の技術者はOJTで各社独自の設計方法を習得していきますが、この研修を受けることでその内容が理論的に裏付けされ、先進の講義を受けることで、更なる技術開発につながることが期待されます。


2011年9月16日金曜日

造船技術センター初級実技



4月から始まっています、今治地域造船技術センターも終盤を迎え、連日実技の向上を目指した研修が続いています。
暑い研修所の中で、バーナーを当てて練習用鋼材を溶接しています。眩い火花が飛び散り、鋼材が溶接されて行きますが、溶接ラインがぶれずに真っ直ぐ安定した溶接をできるようになるのが難しいようです。講師が横で付きっ切りで「そうだいいぞ、そのままで続けろ」などと指導しています。出来上がった鋼材に講師が点数をつけ、高得点の研修生は表彰されます。講師の指導と点数に、「もう一度やってみる」と練習用鋼材を手にして研修生が溶接を始めます。
  こうしてベテラン講師の指導で「匠の技」を身に着けた研修生が、続々と現場に出て経験を積むことで完成度の高さが評判の「日本の船」が造りだされ、七つの海で活躍することになります。

2011年9月15日木曜日

出前海事教室「今治海上保安部のお仕事」

7月4日(月)出前海事教室「今治海上保安部のお仕事」講演会が今治市立宮窪中学校で全校生徒77名を対象に開催されました。
 この取り組みは、今治市が海事都市構想の基本指針「次世代の人材育成」を目指し、海や船に親しむ機会をということで、海の安全、海の職業を知るために今治海上保安部に講演いただいています。
 海の安全を守るために、日夜で活躍している海上保安官になるにはどうしたらよいか、海のシーズンを迎え、自らの安全を守るためにどうするべきかといったことを映像を交えて講演がありました。  「海が好きだった」から保安官を職業に選んだ職員は、「皆さんを守るために殉職することもある」といった決意も生徒に示しました。
 生徒たちは、海での安全を守るためにどうすればよいか、危機に際したときの対応方法などを学んだようです。

2011年9月2日金曜日

「日本丸」出港「登檣礼」

「バリシップ2011」を締めくくる、航海訓練所帆船「日本丸」の出港・「登檣礼」です。朝から生憎の雨模様でしたが、出港の10時には小降りになるという天気予報を信じての「登檣礼」でした。「日本丸」出港を地元の幼稚園児、保育園児、波方海技短大の学生や一般の方が見守る中、訓練生はマストに一歩一歩登って行き、そのたび子どもたちが「がんばれー」と歓声を上げていました。訓練生がそれぞれが配置につくと、先頭の学生の大きな号令があり、訓練生の「ごきげんよう~」という合唱は海事都市今治の未来に向けて響き渡ったように思えました。海や船をキーワードに5万人を超える人が集まった「バリシップ2011」、それぞれの想いが積み重なり立派に開催することができました。海事都市今治の海の街づくりはまだまだ続きます。

2011年8月30日火曜日

「日本丸」洋上見学ツアー


「バリシップ2011」記念に寄港した航海訓練所帆船「日本丸」を波方海技短大、弓削商船高専の練習船に乗船して、洋上から見学するツアーを実施しました。波方海技短大の練習船は小型で、訓練生の様子や「日本丸」の装備をかなり近づいてみることができました。船首の女性像「藍青」よく見えたようです。弓削商船高専の練習船では、船を動かすための機器に触れることができ、また航海訓練所から元帆船の船長が乗り込み、詳しく「日本丸」や訓練について説明を受けることができました。
こうして、船員を育成する高等教育機関2校のコラボレーションにより、洋上からダイナミックな「日本丸」の姿を見ることができました。「楽しかった」、「大きかった」、「また乗ってみたい」、「将来船に乗りたい」などいろいろな感想は、海や船に親しむ機会が減ってきている子どもたちに、貴重な体験の機会と乗組員の対応をしていただいたからこそ出てきた感想だと思います。

2011年8月25日木曜日

「日本丸」セイルドリル


「バリシッ2011」記念に寄港した航海訓練所帆船「日本丸」の一番の見せ所であるセイルドリルです。昨年の寄港では強風のため、セイルドリルが実施できませんでしたので、朝から多くのお問い合わせをいただきました。
  セイルドリルは36枚の帆の1枚1枚を訓練中の波方海技短大や宮古海技短大の学生が教官の指示で開いていきます。マストに上ってセイルを解いたり、ロープを引っ張る作業は、訓練生の一糸乱れぬ迅速な行動が要求され、その成果が「太平洋の白鳥」の優雅な姿となって現れることになります。こうした訓練の一つ一つが、現場に出た時の船を預かる船長のもと、船を安全に航海するために生きてくるのだと思います。
  帆が張られていく様子を陸上から見ている来場者には、訓練生の関係者も多くいたようです。セイルドリルが終わると、「よくやった」と大きな拍手と、「よく帰ってきたね」のねぎらいの言葉が聞こえてきました。

2011年8月23日火曜日

Jazz Live


「バリシップ2011」展示会も終了し、会場は撤去作業が急ピッチで進んでいました。隣接の蔵敷ふ頭では、帆船寄港恒例のJazz Liveが「今治ジャズタウン実行委員会」により開催されました。
帆船「日本丸」としまなみ海道のライトアップをバックに演奏されるJazzが心に沁みわたり、「バリシップ2011」の興奮がフィナーレを迎え、様々なイベントの余韻を残す場面を演出していました。
撤収を終えた出展者や、来場者、主催者など様々な立場で「バリシップ2011」に関わった皆さんが集まり、「バリシップ2011」へのそれぞれの思いを胸にJazzを聞き入っていたように思えます。
暮れてゆく港に、照らし出される帆船「日本丸」は「バリシップ2011」のシンボルとして大きな役割を果たしました。

2011年8月19日金曜日

一般向けセミナー


「バリシップ2011」一般公開日では子ども向けの「船」をテーマにした映画上演会が開催されたり、「海洋実験教室」や「内航海運ってなあに」など、子どもたちに「船」について知ってもらうためのセミナーと、「現代の海賊と歴史上の海賊」という大人に向けたセミナーが開催され、プロ向けの2日間とは違ったプログラムが用意されました。
  海事都市今治は「海」と共に生きてきた村上水軍の歴史を脈々と受け継いできました。瀬戸内海で活躍し、「海族衆」と呼ばれた村上水軍と現代のソマリアやマラッカの「海賊」の姿の違いについて紹介され、参加者からの質問を交えながら、45分があっという間に過ぎてしまう真剣勝負のセミナーとなりました。
  「海」や「船」をテーマに幅広い研究活動を行っている第一人者が多く集まり、アカデミックなセミナーが開催され、来場者が造詣を深めることができ、「バリシップ2011」が新たな顔を見せました。

2011年8月16日火曜日

バリシップ見学会 帆船「日本丸」一般公開見学

「バリシップ2011」のシンボルである航海訓練所帆船「日本丸」の一般公開見学です。帆船「日本丸」は海事思想の普及のために寄港しましたが、それはまさに「バリシップ2011」の開催目的である「次世代の海事人材育成」を目指した海事啓発事業に他なりません。そういった取り組みの中心的な事業として、2008年から4年連続の帆船寄港となりました。4回目を迎えた今回も、心待ちにしていた多くの市民の皆様や、「バリシップ2011」に来場していた海事産業界の方が多く見学に訪れました。
乗船訓練中の波方海技短大、宮古海技短大の学生が見学者に「日本丸」の説明や、航海訓練の内容を紹介すると、見学者はその様子を想像するように感心して船内を見回していました。
見学した子どもたちは「ヤシ擦りが楽しかった」、「日本丸が大きくてびっくりした」、「この船に乗っていろんなところにいきたい」、「船長さんになりたい」などいろいろな感想を持ったようです。


2011年8月11日木曜日

バリシップ見学会 工場・新造船見学会 その5

「バリシップ見学会」で最も広い工場を誇る㈱新来島どっく大西工場です。この見学会ではプロダクトキャリアを見学することができましたが、ぎ装桟橋までは距離があるため、工場内をバスで移動しました。移動しながら、船殻ブロックを製造している過程などを見て、次にドックで船を建造される様子を見て、最後に完成した船を見ることができました。この造船所ではセミタンデム方式で船舶を建造しているため、船の半分が先に出来ていきます。そのため、船が輪切り状態で見ることができ、構造がよくわかります。想像を超える建造方法に子どもたちは驚いていました。
プロダクトキャリアの甲板では、色分けされたハンドルがあり、これがどういった役割を果たしているか、なぜ色分けされているかなど丁寧に紹介されていました。また、隣には自動車運搬船が停泊し、桟橋から見上げて高さに圧倒されていました。船によって運ぶものが異なり、それに伴って様々な部品や機器がついている様子に子どもたちの研究も進んだようです。

2011年8月1日月曜日

バリシップ見学会 工場・新造船見学会 その4


「バリシップ2011」開催前から、「是非見学したい」と前評判の高かった、渦潮電機㈱みらい工場の見学会です。
工場に入る前に外観の斬新さに驚かされますが、中に入ると「みらい」を想像される建物になっています。子どもたちは社員の説明を聞きながら、みらい工場の中を案内されました。中では船舶機器の体験や、電気の実験、操船シミュレーター体験などこの日のために船を知るための様々なコーナーが用意されていました。
 工場の外には、近い将来増えていく電気自動車が数多く並んでいました。電気と船を結んで発展してきた会社が、これからは自動車等の電気の開発も視野に入れていくのでしょうか。これからの時代を創造する工場見学に、「こんなきれいな工場で働きたい。」訪れた子どもたちはそう思ったのではないでしょうか。

2011年7月22日金曜日

バリシップ見学会 工場・新造船見学会 その3


「バリシップ見学会」潮冷熱新都市工場の様子です。オフィス・工場共に新しいこともあり、あらゆるものが整然として、近代化された様子が覗え、来場者に好印象を与えていました。最新のプレス機では細かい制御ができ、細やかな造型も製作できるため、子どもたちが喜ぶ作品もたくさんありました。
エアコンや冷蔵庫など日常生活で見ている機器が、船に載せるために大型化して製造する説明を受けると、子どもたちもその大きさや性能に目を輝かして見ていました。
そのエアコンや冷蔵庫の技術を使い、液体窒素の冷凍教室やキャラクターの冷風機で体験できました。「自社の誇る技術」をどうやって来場者に理解してもらうか、社員の皆さんが一生懸命考えて準備されたのだと思います。来場者にアピールするために、「自社の技術力」を再認識する機会となったのではないでしょうか。

2011年7月19日火曜日

バリシップ見学会 工場・新造船見学会 その2


「バリシップ見学会」の工場・新造船見学会で最も来場者の多かった今治造船㈱本社工場の見学会です。見学会といいながら、用意されたプログラムはさながら「船のテーマパーク」のようでした。写真のような模擬式典の体験をはじめ、高所作業車、クレーンでのUFOキャッチャーなど船を造る設備を利用しての体験、実際に完成した新造船の見学など、一日中来場者が楽しめるプログラムがふんだんに用意されていました。

造船所の普段の操業では、安全第一に効率的な作業が必要とされますので、その中での一般の見学対応は難しいところがあります。「バリシップ2011」で来場する皆さんのために、工場の操業を止めて、安全を確保した上で、楽しく「船造り」の現場に触れてもらうための貴重な機会を用意していただきました。
見学会を実施する企業の負担は並大抵のものではありません。そこには「地場産業である海事産業を知ってもらいたい」、「次世代につなげて欲しい」といった大きな願いがあります。

2011年7月15日金曜日

バリシップ見学会 工場・新造船見学会


「バリシップ見学会」の目玉である、工場・新造船見学会は開催前から前評判の高く、実施企業の力の入れ様も非常に強いものがありました。安全に、楽しく工場を見学するための準備は大変であったと思います。子どもたちは学校からバリシップ2011会場と工場を移動するツアーで「バリシップ見学会」を楽しむことが出来ました。
檜垣造船㈱波方工場では、鉄板から船が出来上がっていく様子が順を追ってみていくことができました。中でも大きな鉄板が人の作業で曲げられていく姿に子どもたちの興味がそそられていました。「どうして、鉄が曲るのだろう?どうして鉄で出来た船が浮かぶのだろう?」そういった疑問が、溢れるように湧いてきて説明する作業員に矢継ぎ早に聞いていました。それぞれの場所に配置された作業員から詳しい説明を聞くと、船を造られていくイメージが湧き、工場を出て行く時にはちょっとした「造船博士」になったように見えます。このまま好奇心を持ち続けて欲しいと思います。

2011年7月14日木曜日

バリシップ見学会 その4


 「バリシップ2011」メイン会場では、色々な団体がオープンスペースに出展していました。旧今治コンピュータカレッジでは「今治物産協会」が今治の名産をPRし、テクスポート今治では今治名物の数々のメニューを食することができました。
 今治地区海運組合では、「21日に会場に来る一般市民に喜んでもらうため」に幾度と無く打合せを重ねてこの日を迎えたようです。エントランスでは「ポンポン船レース」で子どもたちの人気を集め、ブースでは未来の船長さん姿の「缶バッチ」の製作、組合員の所有する内航船を紹介する映像など、手作りで工夫を凝らした「おもてなし」が行われました。子どもたちの歓声が準備の苦労を癒してくれたのではないでしょうか。
 そして打合せを重ね、協力して準備を進めることで、地域を越えて連帯感が芽生え、共に歩む気運が醸成される。これも「バリシップ2011」ならではの効果だと思います。

2011年7月12日火曜日

バリシップ見学会 その3


「バリシップ2011」展示会場の目玉、操船シミュレーターです。本来、船員が訓練するための高機能で高価なシステムですが、今回は一般公開用に子どもでも楽しく扱えるシステムに変更して展示されていました。
来島海峡を航行するシチュエーションで、天候も晴れ・雨、昼・夜と条件が自由に設定できます。操船してみると、船がなかなか思う方向に進んでくれず、操船の難しさを体験できます。子どもたちのやめに水先案内人として、近未来の船員である弓削商船高専の学生が協力してくれました。学生も学校ではカリキュラムの一つとして真剣に学んでいますが、彼らに続く子どもたちのために優しくレクチャーしていました。
船を動かすことを疑似体験できた子どもたちからは、「船を動かすのが難しかった」、「ゲームみたいで楽しかった」、「将来船に乗りたい、船を動かしたい」などといった感想が聞かれました。

2011年7月8日金曜日

バリシップ見学会その2


「バリシップ2011」に出展している企業を次世代を担う小中学生に隈なく訪問してもらおうという目的で実施した「海事deクイズラリー」の様子です。1コースで8箇所ブースを回り、その間に色々な海事に関する問題を解いていきます。会場を訪れた子どもたちには大変好評で、とても楽しそうに会場の中を次の問題に向かって駆けていました。
いつもは業界のお取引先と真剣な表情で話しているブースの担当者が、子どもたちに笑顔で楽しそうに説明する姿が印象的でした。出展企業にとっては直接のメリットは無いかも知れません。ただ、クイズラリーに挑戦した子どもたちの中から、興味がわいて海事産業へ進路を取る子どもたちが出てくるかも知れません。海事産業は日常の生活で実感しにくい産業です。「バリシップ2011」の機会を通じて、「船を造る・船を動かす・船で物を運ぶ」ためにたくさんの人と、正確に動く機器が必要であることを理解していただけたと思います。

2011年7月4日月曜日

バリシップ見学会その1


「バリシップ2011」の開催目的である、「次世代の海事人材育成を目指した海事啓発イベントを行なう。」ための「バリシップ見学会」が5月21日(土)開催されました。一人でも多くの方に海事産業を知っていただくために、バリシップ会場も特別に一般公開されましたが、朝から写真のように多くの来場者が訪れました。
 会場では、この日のために各パビリオンが準備した、来場者へのおもてなしがありました。企業PRは勿論、展示している舶用機器が船舶でどのように使われているかの紹介も、一般来場者に対してされていました。一般来場者に混じって、地元海事都市今治の主要な取引先の家族が来場するので、出展社も「気が抜けない」で紹介していたようです。
 見学した子どもたちが、日本最大の海事都市今治の世界における地位、海事産業のダイナミックさなどを感じて、将来海事産業に進む人材が育ってくれればという願いが、産業界の共通した願いでもあります。

2011年7月1日金曜日

バリシップ2011 セミナー・プレゼンテーション


「バリシップ2011」では、出展社によるプレゼンテーションが自社製品・技術・サービスのPRの機会として数多く開催され、ニーズを捉えたプレゼンに多くの関係者が聴講していました。
 今回からの目玉である「特別セミナー」では、“C”ゾーンで船主セミナーと、船舶の技術フォーラムにわかれ、2日間開催されました。
 写真はその中でも、海事都市今治出身の大阪大学大学院柏木教授による「実海域での船の性能推定法の現状」のセミナーの様子です。柏木教授は市内の高校を卒業後、大学に進学し船舶工学に進路を取られました。現在教壇に立たれながら、海事都市今治から船舶工学に進学する学生が少ない寂しい状況に、「次世代の学生を育てたい」という強い気持ちからこのセミナーを引き受けたそうです。船舶工学の世界では、大手企業と大学が産学一体で研究する事例が減り、個人ベースの研究となっていて、日本の船舶工学の地位も危ういものになってきているそうです。何とか、こういった流れに歯止めをかけるきっかけにバリシップがなることも開催意義の一つだと思います。

2011年6月29日水曜日

バリシップ2011国際会議 2日目


「バリシップ2011国際会議」の二日目は「日本の舶用工業の未来」についてのディスカッションから始まりました。ここでは今治市の舶用工業代表者3名を中心に、舶用工業の課題や、技術の開発、海外展開などを議論し、「造船・海運と共に生きる道」を、日本の海事クラスターの結びつき・優位性を活かした生き残り策をとるべきと聴講者に伝えました。
二番目の「船主、成長の条件」では、世界的に厳しい状況であるにも関わらず、他地域に比べ新造船発注が未だに続いている「今治オーナー」の生き残り策としての円高対策、船舶管理の議論がなされました。日本で船主が国際競争に勝ち抜いて、安定的な物資運搬を続けていくには税制面で海外との「イコールフッティング」が必要で、そうでないと海外で事業を展開せざるを得なくなることになります。海事都市今治のヘッドクオーターである「今治オーナー」が海外全面移転してしまうと日本の海上物資運搬の未来に大きな影響を与えると想像されます。
 国民や世界の人々の生活を支えている海上物流の主役である「今治オーナー」、国内で残って事業を続けていくためには問題点がたくさんあることを改めて認識させられました。

2011年6月28日火曜日

バリシップ2011 2日目


「バリシップ2011」の二日目も朝から多くの来場者が訪れました。1日目と異なるのは、来場者が企業や団体の代表者が減り、企業の担当者、現場の技術者が増えたため、作業服姿や会社の制服姿の来場者が多くなったことです。
現場を有する海事都市今治らしく、実際に展示している機器をオーダーしたり、使用している人とのやりとりが出来ることは大きな特徴で、主要な関係先であり、確実な相手先にPRすることは出展社にとっても最も手ごたえのある効果的な機会であり、大きなメリットといえます。
この日も報道局の取材が多くあり、TVに答える企業代表者の姿、会場からレポートする報道陣の姿が多く見られました。前回の“BARI-SHIP”は地元にとっても半信半疑の状態でしたが、2回目を迎えた今治海事展「バリシップ2011」では、日本最大の海事都市今治の存在感が理解されてきたのでしょう。海事展開催の目的の一つである、「情報発信・情報交換」が確実になされていると思います。

2011年6月23日木曜日

バリシップ2011交流会

 「バリシップ2011」の参加者や来場者の交流の場として「バリシップ2011交流会」が開催されました。主催者や関係企業が大規模で盛大なパーティを開くことが、海事展の重要な構成要素の一つとなっています。お昼の展示会よりも夜の交流会の方が、企業の代表者や主要な取引先と名刺交換が出来るなどチャンスが多く、貴重な機会を求めて参加を希望する方が後をたちません。
 交流会は今治市内のホテルで開催されましたが、立食形式でも「立つところがない」と思われるほどの参加者で満員となっていました。
 満員の交流会の冒頭に今治市海事都市交流委員会檜垣幸人会長が、「海運・造船で日本における海事の占める役割が大きいのでバリシップ2011が今治で開催できている。全てが揃う海事都市のプレゼンスを上げ、市民の皆さんにグローバルさとハイテク機器を肌で感じていただきたい。海事都市今治は決して偶然出来たのではなく、海運・造船・舶用が協力し、切磋琢磨してきたから出来上がった。これだけの集積となったのは他に類がない。地場産業である海事産業を盛り上げるためにも、是非2年後も開催したいと思う」と挨拶されました。

2011年6月22日水曜日

「日本丸」入港歓迎式


「バリシップ2011」のシンボルとして、(独)航海訓練所帆船「日本丸」が昨年10月に続き、寄港しました。市民の皆さんからは、「何時にどの方向から入港するのか?」とたくさんお問合せをいただきました。
入港歓迎式には、地元今治市出身の国土交通省井手海事局長が駆けつけて、「海事都市今治は海上交通の要衝で、世界を代表する船主が集まり、日本で船を一番たくさん造っている造船所が集まって構成されている。その日本最大の海事都市でバリシップ2011が開催され、日本丸が寄港して海事思想の普及に貢献している。この機会を通じて船や海の恩恵を再認識していただきたい。また、海事都市今治が大きくなって、震災を乗り越え、元気になっていく日本の起爆剤となって欲しい」とたくさんの思いがこもったご挨拶をいただきました。
「太平洋の白鳥」が瀬戸内海で一休みする姿を一目見ようと、市民や「バリシップ2011」の来場者が多く訪れていました。

2011年6月14日火曜日

バリシップ2011国際会議


「バリシップ2011」の大きな特徴である、「日本最大の海事都市今治からの情報発信」として、今治市内のホテルで「バリシップ国際会議」が開かれました。
菅市長の挨拶で始まり、商船三井芦田会長の基調講演のあと、造船パネルディスカッションが「持続可能な産業へ 日本造船業への提言」をテーマに開催されました。造船業若手オーナーが集まり、地元海事都市今治からは、今治造船㈱檜垣幸人社長が出席されました。
現在の為替市場の円高問題、鉄鋼の内外価格差の問題等、海洋国家日本を支える海事産業が、これからどう歩んでいくべきかという中で、「現況が続くのであれば、海外との競争力維持のためには、他の製造業のように海外に進出するシナリオもありうる」など、厳しい市況を背景にシビアな意見交換がなされていました。
世界単一のマーケットで戦っていくには、製品の完成度は勿論、価格も大きな競争力の要素になります。現在の不利な状況を何とか打開できないか?決定打がなかなか見つからない状況のようです。

2011年6月10日金曜日

バリシップ2011一日目


「バリシップ2011」のメイン会場であるテクスポート今治がオープンし、開場を待ちわびていた来場者が一挙に入場し始めました。その中には、見慣れた顔の方もいらっしゃいますし、そうでない方も大勢いらっしゃって、まさに船に関係する「オールキャストが今治に集う」状況となっていました。
この日のために、皆さんが何度も打合せを重ね、準備を積み重ねてきたことを考えると、胸が熱くなりました。
「前回より何人来場者が増えた?」と来場者の増加を数えることよりも、「内容が濃く、充実したバリシップ2011だった」と皆様に思っていただけることが成功だと思います。それでも、来場者が確実に増えた手ごたえは、バリシップが確固たる地位を築いた証であり、喜ばしいことだと思います。

2011年6月9日木曜日

バリシップ2011オープニング

「バリシップ2011」開催は雲ひとつない青空の下、迎えることが出来ました。開催に向けた皆さんの期待と熱気が伝わり、海事産業界の未来へ明るく強い陽射しがさしたような気がしました。
オープニングでイブ社長は「バリシップ2011の3日間で、全世界の業界に海事都市今治が強いということが発信できる」と挨拶しました。
開催地代表として、菅良二市長は「海事関係者の熱意、熱い思いで、前回を凌駕した海事展となった。最終日は海への関心を持ってもらうために、次世代につなぐイベントもたくさん企画されており、3日間楽しんで欲しい」と挨拶しました。
地元海事産業界を代表して檜垣幸人会長は、「前回の大成功があり、今治市海事都市交流委員会のメンバーの総意でバリシップ2011を開催できることになった。今治から日本を元気にという思いで、発信していきたい」と挨拶しました。
それぞれの思いが結集した「バリシップ2011」、日本最大の海事都市今治ならではのメニューが溢れんばかりの開催を迎えることができました。

2011年6月6日月曜日

バリシップ2011開催前夜


「バリシップ2011」を翌日に控え、会場は開幕を待つばかりの状態になってきました。「バリシップ2011」のメイン出展ゾーンである、「造船パビリオン」ではモデルシップや、パネルなどで趣向を凝らした造型のブースが出来上がっています。 
出展者が続々と会場に集まり準備を進め、きらびやかなブースの展示が完成して、来場者を受け入れる体制が整う様子に熱気がひしひしと伝わってきました。
開催前夜の興奮と熱気を伝えようと地元のテレビ局が会場から報道しました。報道では、「海運・造船・舶用」で構成される「今治パビリオン」を紹介し、UBMジャパンのイブ社長と今治市海事都市交流委員会檜垣幸人会長が「バリシップ2011」の抱負や期待、海事産業界へ与える役割などをPRしていました。いよいよ、「2年ぶりに日本最大の海事都市今治が熱く燃えます!」

2011年6月1日水曜日

バリシップ2011開催準備


「バリシップ2011」開催まで2日となり、会場のテクスポート今治、旧今治コンピュータカレッジでは、会場内の模様替えが進み、徐々に各出展ブースの形が出来上がってきました。「今治舶用パビリオン」では全体の造形を統一したデザインとして、内部を個々の企業色を出した展示としています。 
ブース造形が出来上がりましたら、各企業の出展物が納入され、企業が顧客に訴えるメッセージ性の高いパッケージへと変わっていきます。
「バリシップ2011」出展準備のため、海事都市今治に多くの関係者が集まり始め、会場の内外では「毎度」など掛け声が交わされている姿が多く見られました。

2011年5月2日月曜日

バリシップ2011告知


 
「バリシップ2011」開催までいよいよ一ヶ月を切り、横断幕、のぼり、ポスター、チラシ等様々なPRグッズが、街中に掲示され始めました。
今治市の商店街にもこのように横断幕とのぼり、ポスターが掲示され、行き交う人の視線を捉えています。
「バリシップ2011」は出展社数が前回より増加し、国際会議や特別セミナーは既に満席となっており、トレードショー部分の盛況は間違いない状況になってきています。これからは市民向け5月21日(土)の「バリシップ見学会」が海事都市今治ならではのイベントであること、船造りの現場を見ることが出来る貴重な機会であること、などを積極的にお伝えしていく予定です。「小中学生をはじめとする一般の皆さんが海事産業についての造詣を深める機会とする」ために、「今治を海事一色に染める」ために、そして「今治から日本を元気に!」するために、海事産業界、行政、教育機関がスクラムを組んで準備を進めています。

2011年4月27日水曜日

第7回今治地域造船技術センター初級コース開講式


平成23年4月13日(水)7年目を迎えた今治地域造船技術センター初級コースの開講式が執り行われました。
今回の技術センターの受講生の殆どが20歳以下という若い構成です。67名の受講生が、3ヶ月間の日程で2~3年間の技量を身に着けるといわれる研修を行います。今回から新たに「電気艤装」に関する講座も開設され、益々充実された内容となってきています。写真は、それらの講座を受け持つ各社の「匠の技」を持つベテラン講師の紹介があり、挨拶をしている場面です。「よろしくお願いいたします」会場に響き渡る大声で受講生が講師に挨拶する姿に、未来の造船業を担う若者が育っていく姿を想像していました。この講師陣の中には、初級コースを経験し講師になっている方もいます。7年の歴史を数えたからできる内容の充実、継続するからこそ、脈々と技術の継承が進むのだと思います。
そして、我々にとって嬉しかったのは、「バリシップを見学して、船を作りたいと思ってこの会社を選んだ」という受講生がいたことです。そういった気持ちを持つ若者が一人でも多く出てきて欲しい。バリシップ開催の大きな目的でもあります。

2011年4月11日月曜日

銅像除幕式


 平成23年4月5日(火)今治市名誉市民、今治造船株式会社檜垣俊幸会長の銅像除幕式が行われました。雲ひとつない、澄み切った快晴の中、発起人の呼びかけに今治市の海運、造船、舶用工業と海事関係者を中心に、市関係者、日本造船工業会会長など300名の方々が集まりました。
今治城吹揚公園に銅像が設置されましたが、背後には氏が実行委員長となって、陣頭指揮を取った、「今治城築城・開町400年祭」記念事業で再建された鉄門(くろがねごもん)が威容を誇ります。社業を大きく拡大させる一方でこういった、市関係の事業のみならず、今治商工会議所会頭など要職を歴任されたり、「檜垣育英会」のように後進の育成支援にも長い間取り組まれて来られました。
 銅像は東を向いています。今治から東には東京を越え、アメリカ果てはヨーロッパと続き「海の民なら男なら みんな一度は憧れた太平洋の黒潮を」と詠われる様子が目に浮かびます。また、銅像の右手は少し上がっています。これは「次への動き」を意味があり、「海事都市今治が世界へ羽ばたこう」という願いが込められているそうです。
 これからも様々な場面でより一層のご活躍が祈念されています。

2011年4月5日火曜日

2011 今治市外航海運セミナーin今治北高



平成23年2月23日(水)愛媛県立今治北高校の1年生320名を対象に、「今治市外航海運セミナー」が開催されました。
例年通り、同校のOBである海運会社代表者が講師として母校を訪問しました。海事都市今治の中核に位置する外航海運業を通じて、日本の金融、経済が今後どのようになっていくのか、生徒がこの貴重な講演をしっかり聞いて視野を広げてもらいたいという学校の要望があります。
講師からは今治市の外航海運業の現状や日本及び世界で占める地位について、また海事都市今治の成り立ちや今後のあり方などが、経済状況や為替などを踏まえ話されました。後輩たちには「語学を習得して国際人になって欲しい。そして海事関係のどこかで働いて、いつか一緒に仕事をしよう」と呼びかけました。
生徒からは、「仕事のやりがい」や「会社での外国人の係わり」についてなどの質問が出て、「海運・造船とも世界に誇れる産業が今治にあり、今治に生まれて誇りに思う」と感想が述べられました。
こういった取り組みを海事産業界のご協力を戴きながら継続することで、将来の海事都市は発展していくと思います。

2011年3月8日火曜日

2011今治北高インターンシップ その2




こちらの海運会社では、造船所グループのため、船造りの現場を見学することもインターンシップのメニューに組み込まれています。造船所を見学することで船を造るスケール感、ダイナミックさを身をもって感じることができます。
船を動かすことのグローバル感、国際感覚をより感じてもらうために、例年外国人の船・機長に対するブリーフィングに学生が参加しています。ここでは会社のポリシー、自社の船に対する思いを時間をかけて詳しく説明しています。そうすることで、船・機長に船を大事に扱った航海を心掛けてもらいたいと思っているからです。
海運会社の役員が船・機長に英語で説明している姿に、言語習得の必要性を学生も強く感じたそうです。そして、地方都市の今治にこのように外国人と緊密に仕事をしている会社があるということに驚いていました。
 海運会社の仕事を表現することは非常に難しく、一般の方々に理解してもらいにくい業種ですが、将来を担う若い学生に海運会社を知ってもらうインターンシップは、海運会社の将来につながっていくと思います。

2011年2月21日月曜日

2011 今治北高校インターンシップ



平成23年2月8日~10日の間、今治北高校の商業科2年生120名のうち、21名が海運会社を中心に10社に分かれてインターンシップの体験を行いました。
 インターンシップの目的は、企業の実際の知識や技術と学校の学習の関連性や、生徒の職業適性や、将来の職業選択の能力、職業意識を醸成することです。受け入れる海運会社側は、今治にありながら世界で活躍している海事産業のことを少しでも理解してもらい、将来の進路の選択肢として考えてもらいたいという願いがあります。
 この海運会社では4名の生徒を受け入れ、4年目を迎え「ノウハウ」が確立されています。会社の概要に始まり、経理まで幅広く体験できたようです。海運会社の世界と直結しているダイナミックさや、船で安全に効率的に物資を運ぶために海運会社が行っている業務を肌で感じることができたと思います。
 今治北高校を卒業し、海事関係の企業等に就職する生徒が多く出ています。インターンシップを経験した生徒が海事都市今治で活躍されることが期待されます。

2011年1月28日金曜日

今治市外航海運セミナーin弓削



12月15日国立弓削商船高等専門学校で「今治市外航海運セミナー」が今治市外航海運協議会・今治市の共催で開催されました。今回で5回目のこのセミナー、OBである海運会社の代表者が講師として母校の後輩に外航海運業界の現状と学生に期待することを伝えに行くセミナーになっています。
海運業界は市況の波で浮き沈みはありますが、その中でも「今治オーナー」の地位はゆるぎないものになっており、「今治オーナー」の中には3大オペレーターに次ぐ船隊規模を擁する会社も存在する現状を紹介しました。そのオペレーターと「今治オーナー」は一心同体の関係で、「事故を起こさず、安全で経済的な運航をすること」を目的としている唇歯の関係であることを紹介しました。
オペレーターもオーナーも船舶管理を行いますから、そこで乗船経験のある海技者の監督がいないと安全な航海が出来ない。高いレベルでの船舶管理の技術が要求されますが、その海技者の監督候補として、弓削商船高専の学生が期待されています。
 学生に対して、オーナーから「心身共に健康で、ライセンスをきちんと取得して、出来れば英語も学習し、海運業に羽ばたいて欲しい」とエールが送られました。

2011年1月21日金曜日

小池船長講演会


 1029日今治市立北郷中学校で「小池船長講演会」が今治市外航海運協議会・今治市の共催で開催されました。小池船長は北郷中学校のOBで「母校の生徒の将来にお役に立てるのであれば」、ということで講師を引き受けていただき、全校生徒440名、PTAなど般50名が講演会に参加しました。
 講演会ではDVDなどで海運や船の紹介を行い、最大級の25人乗り膨張式救命筏の展帳実演がありました。救命筏が展帳される機会は緊急の時以外ではありませんので、非常に珍しい機会で生徒も来場者も興奮している様子が伺えました。
 小池船長の講演は「カピタン小池の帰巣講演」と題して、中学校の生活、弓削商船高専での生活、船乗りでの生活、陸上での会社員生活等を先輩として生徒に語りかけました。また、「今治市は世界で類を見ない海運・造船を含む海事産業の街であり、今治地区の存在価値は非常に高い」ことを紹介しました。
 生徒からは「航海中の心境は?」「訪れた国の数や、食べ物の印象は?」などの質問が出されましたが、「夢を持って希望を持って将来を見つめて欲しい。何がしたいのか、どうしたいのか、無駄な経験など無いので、何でもやってみよう」といったアドバイスが生徒に贈られました。
 先輩の船長としての様々な経験を基にした講演に、後輩が続いてくれればと思います。

2011年1月17日月曜日

大学公開講演会

11月27日今治地域地場産業振興センターで造船系大学の公開講演会が開催されました。現在、海技者育成を含めた、海事系教育機関は安定した就職率の高さとは裏腹に、入学志願率の低迷という課題があり、その解決のため様々な取り組みを進めています。今回の公開講演会は、そういった目的から一般向けの親しみやすいテーマと、14の造船所を擁する海事都市今治ならではの造船技術者向けのテーマで開催されました。
講演会には進学を控えた高校生や、造船所の設計担当者、大学OBで既に造船所をリタイヤした方など幅広い聴講者が集まって来ていました。大学側は少子化の中で、海事都市を支える技術者を育成するため、多くの学生を受け入れたいと積極的にPRを進めているようです。
他の教育機関でも、大学教授を高校に派遣してセミナーを開催したり、体験入校や、オープンキャンパスなどを実施しています。
海事系教育機関を卒業すると、就職は海事産業がメインになります。国民の生活を支える海上輸送に携わるスケールの大きさ、グローバルさを皆さんに知ってもらい、将来海事産業に進み、海事都市を構成する一員になって欲しいと思います。

2011年1月5日水曜日

「日本丸」出港

10月26日(火)5日間の寄港も終わりを告げ、「日本丸」がいよいよ出港する時がやってきました。出港のお別れ「登檣礼」を乗船訓練中の弓削商船高専商船学科の学生が行い、大きな声で「ごきげんよう~」と叫ぶと、陸上から波方海技短大の学生が負けじと「ごきげんよう~」とエールを返していました。近い将来の日本の海上輸送を担う若者たちのやりとりは壮観でした。
その隣で、10年ほど先には海事産業を進路として選ぶ機会が回ってくる子どもたちが「バリシップ2011」の旗を振って出港のお見送りをしました。子どもたちは「日本丸を毎日見に来たよ」、「高いところに登りたい」、「大きなお船に乗ってみたい」等歓声が上がっていました。
海上では、波方海技短大の練習船に小学生が乗り込み、登檣礼や出港の様子を見学しました。練習船から「日本丸」と陸上の様子を見て、教官から説明を受けることができてとても良い経験になったようです。
「日本丸」が寄港することでこそできる、海への関心を深める「海事啓発」事業を「バリシップ2011」の際にも是非実施したいと思っています。